こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。
波状路が大の苦手です。何かコツはありませんか?
今回は、大型二輪免許の課題の1つである波状路がうまくなるコツを紹介します。
この記事で紹介するコツは、私自身が普段の教習で説明している内容です。あなたの参考になってくれるととても嬉しいです。
ふだん二輪の教習を担当していて感じるのは、波状路は、スラロームや一本橋に比べると苦手意識を持っている教習生は比較的少ないということです。
ただ、油断をしてミスをすると、検定が中止になってしまう課題ですから、今回の記事を読んで少しでもスムーズに通過できるようになってください。
波状路とは?
波状路とは、大型二輪免許にだけある課題で、不等間隔に設置された9つのデコボコ道を、立ち姿勢でしかも低速で通過するという課題になります。
以下、波状路の基本的なデータを抑えておきましょう。
内容 | 数字 |
---|---|
長さ | 9.5メートル |
幅 | 70センチメートル |
デコボコの高さ | 5センチメートル |
通過タイム | 5秒以上 |
やはり上記の数字の中でいちばん曲者の数字は、「通過タイムの5秒以上」です。
言い方は悪いですが、この「5秒以上」がなければ、デコボコ道を適当に通過しておけばOKなのですけどね。
波状路でやってはいけないこと
では、波状路でやってはいけないことをまとめておきます。
危険行為として検定中止になるミス
まずは、危険行為として中止になるのは以下の3つです。
- 足つき
- エンスト
- コースからの逸脱
波状路の場合、特に気をつけなければならないのは「エンスト」です。
実は、スラロームや一本橋も同じ条件なのですが、この2つの課題でエンストすることはまずありません。
しかし、波状路の場合は、段差を越えるときのアクセルが弱いとエンストの可能性が高くなります。
日頃の教習でも段差を乗り越えるときのアクセル不足でエンストしている教習生の姿をよく見かけます。
減点になってしまうミス
前述したような検定が中止になってしまう危険行為ほどではありませんが、減点になってしまうミスは次の2つです。
- バランスを崩して着座してしまう
- 5秒未満で通過してしまう
やはり、低速が維持できずに5秒未満の速い速度とタイムで通過してしまう教習生が散見されます。
頭ではわかってるつもりですが、デコボコをゆっくりバランス良くってのが難しいんですよ~。
では、少しでも波状路が楽になるコツをいくつか紹介します。
波状路のコツとは?
では、波状路が少しでも楽になるコツを紹介します。
ただし、私は、この記事を読んでくださっているあなたの波状路の様子を、実際自分の目で見たわけではありません。
まずは、あなたの教習を担当している教習指導員の指導やアドバイスにしっかり耳を傾けてください。
そのうえで、あなた自身の波状路をしている姿を思い浮かべ、以下の項目に該当していないかチェックしてみてください。
立ち姿勢を作るタイミングが遅すぎないか?
まずチェックしたいのが立ち上がるタイミングです!
ふだん、教習生の波状路の様子を見ていると、波状路がいよいよ迫ってきて、ギリギリのところで慌てて立ち上がり立ち姿勢を作ろうとする人が多いです。
しかし、これだと運転姿勢が安定せず、最後まで立ち姿勢がキープできなかったり、速度のコントロールが難しくなります。
これはあなたの通う教習所のレイアウトにもよりますが、おおむね波状路の4~5メートル手間では立ち上がり運転姿勢を作りたいものです。
そうすることで身体もこころも両方ゆとりを持って波状路にのぞむことができますよ。
入り口の速度は速すぎたり遅すぎたりしていないか?
次に波状路に入るときの速度はどうでしょうか?
運転姿勢の次に気をつけたいのが、波状路に入る前の速度づくりです。
前述の運転姿勢同様、波状路入り口の速度が速すぎたり遅すぎたりすると上手くいかないことが多いです。
速すぎると通過タイム5秒以上が満たせませんし、遅すぎると波状路途中でのエンストや足つきやコースからの逸脱につながってしまうからです。
波状路は、ただでさえ連続するデコボコ道への対応で不安定になりがちです。
その途中で速すぎる速度を抑えたり、遅すぎる速度を適切な速度まで上げるといった速度の微調節は、かなり難しいものであることを理解しなければなりません。
ですから波状路は、入り口で速度をバッチリ決めて、その速度を最後まで維持するイメージで通過してみてください。
デコボコの間の距離を把握しているか?
あなたはデコボコの間の距離を知っていますか?
3つ目のコツは、デコボコの間の距離をきちんと把握しておくことです。
波状路は、基本的に9つのデコボコ道の手前で、デコボコを越える勢いをつけるために半クラッチでアクセルをあおり(回し)ます。
そこで気をつけなければならないのが上図のBの区間です。
二輪の教習中、教習生を観察していると、デコボコ間の距離が一番短いこのBの区間で、うまくアクセルを回すことができずにバランスを崩している人が多いです。
例えば、どうしてもこのB区間が上手くいかない人は、このB区間だけアクセルを回さないで通過するという対処法もあります。
このあたりは二輪の指導員に支持をあおぐのが良いのですが、いずれにしてもこのBの区間は要注意です。
また、A区間の1.3メートルは、バイクのホイールベース(前輪と後輪の車軸間の距離)とほぼ同じです。
それが何か?
このときどういう現象が起きるかというと、A区間では前輪と後輪がほぼ同時にでこぼこに乗ってしまうのです。
ということは、他の区間に比べると、A区間は段差を乗り越えるのに力が必要になりますから、アクセル不足のエンストに気をつけなければなりません。
波状路は、一見不等間隔にデコボコが続いているように見えます。
しかし、上図を見れば明らかですが「AABC・AABC」、つまり「AABC」の間隔が2回続いているだけということに気づきます。
このように、デコボコ間の距離をきちんと把握しておくだけでも、気をつけなければならないポイントがはっきりとし、波状路をゆとりを持って通過するのに大いに役立つことがわかります。
まとめ
今回は、波状路のコツについての記事でしたがいかがでしたか?
運転姿勢のこととかアクセルワークとか、もっとコツはないのでしょうか?
おっしゃるとおりで、立ち姿勢の作り方とか、アクセルワークとか、目線とか、ブレーキの使い方とか、実は他にもたくさんコツはあります。
しかし今回、この記事ではそれらのことには一切触れていません。そのため、今回の記事に物足りなさを感じた人がいるかもしれません。
それには理由があって、それらの教科書的なコツは他サイトにも出ていますし、それこそ教本などを見ればよいのです。
そして何より、それらの指導は、実際にあなたの波状路を間近で見ている指導員がしっかり教えてくれるはずです。
ですから、今回は、おそらく他のサイトやブログで書かれていないようなコツで、しかも私自身が日頃の教習で感じていることを記事にしてみました。
最後にもう一度波状路で大切なことを一言でまとめます。
波状路は、入り口で決まる!
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
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