こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。

今度バイクの免許を取りに行こうと思います。
ヘルメットやブーツは買わなければなりませんか?
今回の記事は、二輪免許を取りに行くときに必要なものについて、現役教習指導員がアドバイスします。
夏に二輪免許を取りに行く人は熱中症対策を万全に。
準備しなければならないものとは?

バイクの免許を取りに教習所に行くときに、あらかじめ準備しておかなければならないものについて解説します。
と言いたいところですが。
たいていのものは貸し出し用があるのでご安心を
自動車教習所では、おそらくどの教習所でも二輪免許を取りに来る人のために以下のものは常備しているはずです。
- ヘルメット
- プロテクター
- ブーツ
- 雨衣
ですから、教習所入所前にバイク用品を買い揃えないといけないというわけではありません。
強いていうなら、共用が難しいグローブは購入が必要かもしれませんね。(後述します。)
コロナ禍で、自前のものを準備する人が増えてきた
ただここ数年は、新型コロナウイルスの影響もあり、自前のヘルメットやブーツを用意する教習生の人が格段に増えてきました。
やはりこういうご時世ですから、見ず知らずの人との共用に抵抗があるという人は確実に増えている印象です。

教習を機にヘルメットやブーツを購入するのもありですね。
ただし、今回の記事で強調したいのは、せっかく購入したヘルメットやブーツが教習で使用できないという場合がありますので注意が必要だということです。
各自動車教習所によって使用できるバイク用品にはルールがあったりするので、入所前や申込時にきちんと確認することを強くおすすめします。
以下、私の勤務する教習所を例に説明します。
ヘルメットはフルフェイスかジェット
私の勤務する教習所では、以前は、指導員の声が聞こえにくく指導の支障になるという理由でジェットヘルのみ教習での使用を認めていてフルフェイスはNGでした。
今はフルフェイスもOKなのですが、もしかしたらまだそういう教習所があるかもしれませんので注意が必要です。
自動二輪車規格のヘルメットであることはもちろんで、いわゆる半メットは安全が担保できないので、おそらくどの教習所でもNGでしょう。
またヘルメットのシールドがミラータイプだったり、レインボーだったり、スモークタイプでも駄目な場合があります。
私の教習所では、そういったタイプの場合は、シールドを上げていればOKにしています。
グローブは意外とどれにするか悩ましいアイテム
転倒したときにまず地面につくのは手のひらですから、グローブは怪我防止のために重要なアイテムです。
もちろんミトンタイプ(親指とそれ以外の4本指の2つに別れたタイプ)や指出しのグローブは、ほぼどの教習所でもご法度でしょう。
私の勤める教習所では、入所のサービスでグローブはプレゼントしているのですが、これが夏用でして。
当たり前なのですが、夏場は問題ないのですが、問題は冬場なんです。

せ、先生。て、手が、かじかんで、ゆ、指が動きません。
当たり前です。でも防寒対策で分厚い冬用のグローブを教習で使用するとどうなるのかというと。

ごついグローブは、ウインカーが操作しにくいです。
確かに。夏場はグローブの選択に悩む心配はないのですが、問題は冬場ですね。

防寒を取るか、操作性を取るかは悩ましい問題ですね。
プロテクター搭載のジャケットがいいかも
私の勤務する教習所では、胸、肩、肘、膝のプロテクターを着用していただいています。
特に教習所の貸出用でも問題ありませんが、最近はプロテクター搭載のジャケットやライディングパンツで来られる方も増えてきました。
少し値は張りますが、ツーリング目的で免許を取る人は特に買っておいても良いアイテムかもしれません。
それに、プロテクター搭載のジャケットの最大のメリットは、教習の準備に時間がかからないところですね。
意外とプロテクターの装着には時間がかかりますので、その点マイジャケットは羽織るだけなので準備がとても楽になります。
ブーツも怪我防止に大切なアイテム
私の勤務する教習所ではブーツが必須です。
ただ、3kmほど離れたところにあるお隣の教習所さんはスニーカーで教習OKだったりと、やはり教習所によってルールはまちまちです。
ちなみに、ブーツはブーツでも以下のような条件でないと、やはり事故防止のため使用を認めていません。
- 靴紐がないこと(束ねることができたらOK)
- かかとのあるもの
- くるぶしを覆えること

結構細かいでしょ?
教習所に通いながらバイク用品を揃えていくという手もなくはない

でも、どんなヘルメットを買ったらいいのか分からないです。
そういう人は、とりあえず貸出用で始めてみてはいかがでしょうか?
実際にバイクに乗ってみると、ヘルメットにしても自分にはフルフェイスがあっているかジェットヘルがあっているかイメージが湧きやすくなると思います。
それに、教習所の二輪担当の指導員も、実際バイク好きが多いので、バイク乗りの先輩としてアドバイスできるかもしれません。
また、教習中に仲良くなった他の教習生の人と情報交換もできますよ。
でも、一つ注意しなければならないのは、卒業検定間近になって、ヘルメットやブーツを購入した場合はそれを教習で使用しないほうが無難ということです。
なぜなら二輪免許の検定は、四輪免許のそれと比較してもデリケートな部分が多いからです。
十分に慣れていないヘルメットやジャケット、ブーツでの検定に臨むのは、教習指導員的にもあまりおすすめはしません。
もし、教習所に通い始めてからバイク用品を購入し、それを教習で使おうという場合は、遅くとも第一段階のうちには使い始めることが必須です。
まとめ:一にも二にも事故防止

今回の記事と合わせて、特に普通二輪免許を取りに行こうと考えている人にはあわせて読んでおいてほしい記事がこちら。
今回は、二輪教習のときに必要なバイク用品について解説をしました。

先生、結構細かいルールがあるんですね?
そこまで厳格にしなくても。
今回の記事を読んで同じように感じた人もいるかも知れませんが、我々もときどき教習生の人にこう言われたりします。
でも、とにもかくにも一番は教習中の事故防止、怪我防止なのです。
私の住む都道府県(おそらく他府県)もそうですが、自働車教習所での事故で最も件数が多いのは二輪教習中の事故だからです。
特に、スラローム、一本橋、急制動、クランクなど難しい課題での転倒による事故が最も多く、指導員も事故防止にはかなりナーバスになっています。
ですから、教習所の装備は大げさに感じるかもしれませんが、バイクは楽しい半面、そうした怪我のリスクが四輪車に比べて高い危険な乗り物だという意識も持ってほしいと思います。
そして、せっかく楽しいバイクの教習が怪我で台無しにならないように気をつけて教習してください。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
転倒の多いスラロームはこの記事を読むとうまくなります。
一本橋も低速で我慢しすぎると転倒につながります。
急制動は、前輪ロックで転ぶ人が多いポイントです。
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