運転免許

バイクの免許は全部で7種類!取得方法や特徴を現役指導員が解説

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こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。

このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。

バイクの免許を取ろうと思うのですが、たくさんあってどの免許を取ればよいのか迷ってしまいますね。

教習所の先生的には、どの二輪免許がおすすめですか?

バイクの免許には全部で7種類あります。今回は、その7種類について教習内容も含めて現役の指導員目線で解説していきます。

こんな記事も書いています。参考になれば嬉しいです。

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バイク免許の種類は?

バイクの免許は、全部で7種類あり、このうち教習所で取得できるのは原付免許以外の6種類です。

二輪免許の種類
1.大型二輪
2.大型二輪(AT限定)
3.普通二輪
4.普通二輪(AT限定)
5.普通二輪(小型限定)
6.普通二輪(AT小型限定)
7.原付

ただし、原付免許は、教習所で普通免許を取得すれば乗れるようになるので、そういう意味では、すべてのバイクの免許が自動車教習所で取得できると言えますね。

ただ、気をつけなければならないのはAT限定の大型二輪免許です。

というのも、AT限定大型二輪免許の導入当時、この免許で乗ることのできる排気量の上限が650ccでした。

そのせいで、集客が見込めないこともあり、排気量上限が撤廃された現在でも、この車種を取り扱っていない教習所も多くあるのです。

ちなみに、私の勤める教習所は、AT限定の大型二輪は取り扱っていませんし、今後も取り扱う予定がありません。

私の住んでいる都道府県の場合、AT限定大型二輪免許が取得できるのはおおよそ全体の4分の1ほどの教習所だけで少数派です。

今でこそ、この免許で乗ることのできる車種が増えてきましたが、あなたが通おうと思っている教習所で取り扱いがあるか、確認する必要がありそうですね。

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バイクの免許は何歳から取れるの?

バイクの免許は、何歳から取得可能なのでしょうか?以下の表にまとめました。

免許の種類取得可能な年齢
原付
普通二輪
普通二輪(AT限定)
普通二輪(小型限定)
普通二輪(AT小型限定)
16歳
大型二輪
大型二輪(AT限定)
18歳

大型二輪免許以外は16歳で取れるのですね。

そのとおりです。普通二輪免許は、18歳まで待つことなく16歳から取得することができるのです。

さて、この16歳から免許が取れる利点を活かすことができるのが、早生まれ(1月1日〜4月1日生まれ)の高校3年生です。

特に就職や進学を控えていて、4月までに免許が必要という人は、この早生まれがネックになる可能性があるのです。

例えば3月生まれの人だと、18歳になるのを待っていると、場合によっては4月の新生活までに普通免許だと免許取得が間に合わないこともあり得ます。

ひろくん
ひろくん

そこで、二輪免許の登場です!

しかしながら、普通二輪免許の場合、18歳になるまで待つ必要がないので、もっと早くから教習所に通うこともできます。

普通免許は間に合わないとしても、普通二輪免許を取得すれば、とりあえず4月からの通勤・通学の足は確保できそうですね。

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教習時間はどれくらい?

次に、教習時間は、各免許によってどれくらい違うのでしょうか?

普通免許を持っていない場合

免許の種類第一段階第二段階合計
大型二輪16時間20時間36時間
大型二輪(AT限定)92029
普通二輪91019
普通二輪(AT限定)51015
普通二輪(小型限定)6612
普通二輪(AT小型限定)369
注)上記の技能教習に加え26時間の学科教習も必要です。

いきなり大型二輪免許の場合、技能教習が36時間もあります。普通免許がMT車で34時間、AT車で32時間ですから、それ以上の教習時間ということになります。

しかもそれに加え、学科教習もこなさなければなりません。

ただ、普通二輪免許の場合19時間と、普通免許の約半分の教習時間数ですし、AT小型限定の普通二輪免許の場合、技能教習はたったの9時間です。

前述した、通勤・通学の足を確保しなければならない早生まれの高校3年生は、まず普通二輪免許やAT小型限定の免許が狙い目ではないでしょうか?

また、普通免許とセットでバイクの免許も取りたいという人は、車の免許とバイクの免許を同時並行で進めることも可能です。

この場合、多くの教習所では「同時割」が適用され、別々に免許を取るよりも割安なことが多いのも利点になります。

普通免許を持っている場合

免許の種類第一段階第二段階合計
大型二輪14時間17時間31時間
大型二輪(AT限定)71724
普通二輪9817
普通二輪(AT限定)5813
普通二輪(小型限定)5510
普通二輪(AT小型限定)358

普通免許を持っている場合、普通免許を持っていない人に比べるとほんの少しだけですが教習時間が短くなっています。

ただし、どの免許でも1時間だけ学科教習を受けなければなりませんが、受講しなければならない学科教習はそれだけで、あとは技能教習に集中できます。

各免許の特徴とは?

ひろくん
ひろくん

では、各免許の特徴について見ていきましょう!

大型二輪免許

では、大型二輪免許のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

  • どんなバイクでも乗ることができる。(MTの場合)
  • 教習時間が長く、教習所で相当技量アップすることができる。(普通二輪免許を持っていない場合)

大型二輪免許のメリットは、何と言っても免許を取得すれば、自分が乗りたいなと思うバイクに乗ることができる点に尽きますね。

教科書的に言うと、大型二輪免許を取得すれば排気量が400ccを超えるバイクにも乗ることができるようになります。

ひろくん
ひろくん

つまり、排気量の制限なくすべてのバイクに乗れるわけです!

それからもう一つ。教習時間が長いというのは、一般的にはデメリットのように思われがちですが、そのぶん教習所にいる間に相当な技量アップが見込めます。

日頃、大型二輪の教習業務に従事していると、最初はどうなることやらと思っていた教習生の人が、ぐんぐん成長する姿を何度も目の当たりにしてきました。

大型二輪の場合、十二分な教習時間が確保されているため、補修になる割合の低いこともメリットの一つと言えるでしょう。


一方、デメリットを以下に列記してみました。

  • 教習料金が他の免許に比べると高額である。
  • 教習時間が長く、免許取得までに時間がかかる。
  • 一本橋など各課題の難易度が高い。

前述のメリットとは表裏一体のデメリットなのですが、教習時間が長い分、当然ながら教習料金型の二輪免許と比べると割高になります。

また、当たり前のことですが、教習時間が長い分、免許取得まで時間がかかるのもこの大型二輪免許のデメリットになるでしょう。

(注)ただし、普通二輪免許をすでに取得している人は、大型二輪免許(MT)は12時間で取得可能です。

それから、以下の表を見てください。大型二輪免許と普通二輪免許の各課題の比較です。

大型二輪普通二輪
スラローム7秒以内8秒以内
一本橋10秒以上7秒以上
波状路ありなし
大型二輪と普通二輪の比較

表を見ると分かる通り、各課題の設定タイムが大型二輪のほうが厳しめです。

特に直線狭路台、いわゆる一本橋の10秒以上というタイム設定は、多くの教習生にとって悩ましいタイム設定となっています。

また、スラロームも若干タイム設定が厳しくなっています。

また、波状路も普通二輪にはない課題です。

ひろくん
ひろくん

これらのデメリットも理解した上で、バイク好きの人は是非大型二輪にチャレンジしてくださいね!

普通二輪免許

多くの人が、二輪免許といえば、まっさきに頭に浮かぶのが普通二輪免許、いわゆる「中免(ちゅうめん)」ではないでしょうか?

その証拠に、普通二輪免許は、日本で1,000万人もの人が取得しています。

16歳から取得でき、排気量が51cc〜400ccまでのバイクに乗るために必要な免許になります。

  • 大型二輪免許に比べると教習時間が短く、教習料金も安い。
  • 各課題の難易度がそこまで高くない。
  • ニーハン(250cc)に乗ることができる。

普通二輪免許のメリットとしては、大型二輪免許との比較になりますが、やはり教習時間が短く、その分教習料金も安くなるというのがメリットになります。

また、バイク好きの学生さんにもおすすめの免許と言えます。

というのも、普通二輪免許を取得すると、250ccのバイク、いわゆるニーハンにも乗れるようになります。

このニーハンは、400ccなどと比べると車検がない分、維持費を抑えることができるため、学生さんにも維持しやすいバイクだからです。


一方デメリットはと言うと。

  • 原付免許や小型限定免許に比べると、取得費用が高い。
  • 大型二輪免許ほどではないが、取得にはそれなりの日数を要する。
  • お手軽だからと舐めてかかると、痛い目にあうことも・・・。

普通二輪免許は、二輪免許の中では最もポピュラーで取得する人も多い免許なので、お手軽な印象を受ける方も多いと思います。

しかしながら、大型二輪免許ほどではないにせよ、それなりの時間の技能教習をこなさなければなりませんし、もちろん運転の試験も受けなければなりません。

また、後述しますが、10万円を超える金額がかかってきますから、

  • 手っ取り早くバイクの免許を取りたい。
  • なるべく取得費用を抑えたい。

といった人は、原付免許に勝るものはありません。

それから、やはり普通二輪と言えども、重量が200キロほどもあるバイクなので、やはりそれなりに勉強が必須ですし、下手すると怪我をする恐れもあります。

ひろくん
ひろくん

でも、バイクは本当に楽しい乗り物ですよ!

小型限定二輪免許

小型限定の二輪免許を取得すると、51cc〜125ccまでのバイクに乗れるようになります。

  • 教習料金が安価で、教習時間も短い。
  • 大型二輪や普通二輪に比べると課題の難易度が低い。(特にATの場合)
  • 法定速度が60km/hのバイクに乗ることができる。

私の勤める教習所でも、小型限定二輪免許(特にAT)を取りに来る人の多くは、「趣味」というよりは、通勤・通学手段の確保、つまり「実益」重視です。

それなら原付免許でも十分なのでは?

確かに、原付ならば、普通免許をすでに持っている人であれば乗ることができますから、免許代はかかりませんし、改めて教習所に通う必要もありません。

しかしながら、以下の記事でも書いているとおり、原付の場合、法定速度30km/hや二段階右折といった制約があり、そのせいで他の交通の流れに乗った運転というのがしにくいです。

通勤・通学は毎日のことですから、意外とそうした制約が大きなストレスになったりするのです。

その点、125ccなどの原付二種(51cc〜125ccのバイクの道路運送車両法上の名称)であれば、道路交通法上普通二輪になるため、そうした制約から開放されます。

そしてこれが、とても大きなメリットになります。

また、大型二輪や、普通二輪に比べると前述したとおり教習時間が少ないために、早く免許にすることができますし、その分教習料金も安価です。

それから、スラロームが課題にないこと、一本橋のタイム設定が、普通二輪や大型二輪に比べゆるい設定であることなど試験の難易度が低いこともメリットです。


次に、小型限定二輪免許のデメリットです。

  • そうは言っても教習所に通わないといけない。
  • 原付二種では高速道路に乗ることができない。

指導員的には、あまりデメリットが思いつかないのですが、強いて言うと教習所に通わないといけないということでしょうか。

もちろん、最後には卒業検定もありますから、原付免許に比べるとやはりハードルは上がります。

また、原付二種では高速自動車国道や自動車専用道路を走ることができませんから、高速道路を走る可能性のある人は普通二輪免許以上が必要です。

原付免許

原付免許を取得すると50ccまでのバイクに乗れるようになります。

ギア付きのバイクにも乗れるんですか?

ひろくん
ひろくん

もちろん!50ccまでならマニュアルのバイクにももちろん乗れますよ。

もし、原付免許を取得したい場合は、以下のいずれかの方法があります。

  • 教習所で普通免許を取得する。
  • 運転免許センターで取得する。

ですから、すでに普通免許を持っている人は原付に乗れるわけですね。

  • 免許センターに行けば1日で免許になる取得までの早さ。
  • 当然バイクの免許の中では、最も取得費用が安い。

メリットとしては、上記のような点が挙げられます。


一方、原付免許のデメリットは以下の通り。

  • 50ccまでのバイクにしか乗れない。
  • 教習所のようにしっかりと技能教習を受けることができない。

もちろん、50ccで十分という人にとってはデメリットにはなりませんが、50ccにしか乗れないということは、前述したように法定速度が30km/h、また二段階右折が必要という制限があります。

特に法定速度が30km/hだと、他の交通の流れに同調するのが難しいです。

それに、指導員的なデメリットとしては、原付免許の場合、他の二輪免許と異なるのは、教習所でしっかりと時間を掛けて教習することがないことが挙げられます。

教習所で二輪免許を取得する場合、スラロームや一本橋といった課題だけではなく、以下のような課題も行っています。

課題主な内容
安全走行四輪車からの二輪車の見え方、ミラーの死角等
ブレーキ操作前後輪ブレーキの効きの違い、エンジンブレーキ等
車両特性カーブの運転姿勢や路面状況が走りに与える影響
カーブの安全走行
カーブの体感走行
コーナーリングにおける遠心力について
コーナーリング途中のブレーキや障害物の危険性等
回避障害物を避ける訓練
ケーススタディ二輪車と四輪車の典型的な事故パターンの模擬体験
高度なバランス走行等姿勢を変えて砂利道やでこぼこ道を通過

これらの課題は、卒業検定には直接関係ないものの、免許取得後大切となる課題ばかりです。

原付免許を運転免許センターで取得する場合、ここまで手厚い教習を受けることは時間的にも不可能です。

そういった意味では、四輪車より危ない乗り物である二輪車において、しっかり教習所で学ぶことができないという点はデメリットと言えるでしょう。

参考:各免許の教習料金はどれくらい?

参考までに、私の勤める教習所の教習料金を、概算ですが掲載しておきます。

二輪免許の種類普通免許あり免許なし
1.大型二輪21万円30万円
2.大型二輪(AT限定)
3.普通二輪20万円13万円
4.普通二輪(AT限定)18万円11万円
5.普通二輪(小型限定)16万円10万円
6.普通二輪(AT小型限定)15万円9万円
7.原付
(注)普通二輪免許所持者の大型二輪の場合は約11万円

まとめ

以前、Twitterでこんなことをつぶやきました。

ですから、指導員的には、バイクが好きで免許を取ろうと思っている人は、「どうせならいきなり大型二輪に行っちゃえば」と思ったりもしています。

ひろくん
ひろくん

主観入りまくりの意見で申し訳ないです。

しかし、当然ながら、技量、体格、年齢、経済面、スケジュール面等々、様々な事情があるでしょう。

かくいう私自身も、学生時代にYAMAHA SR400というバイクに一目惚れして「SRに乗りたい!」と思って免許取得を決意しました。

ですから、当たり前のように普通二輪免許を取得しました。大型二輪免許までは必要なかったのです。

それこそ、バイクは趣味でもなんでもなく単なる通勤・通学目的というのであれば、AT小型限定二輪免許で十分でしょう。

この記事にたどり着いた方々の中には、バイクの免許を取ろうと思ってはいるけれど、どの免許にすれば良いか迷っている人もきっと多いことでしょう。

そういう人はぜひ一度、通おうと思っている教習所に問い合わせてみてください。

二輪担当の指導員から直接話を聞けたり、質問することもできますし、きっとバイクの免許に対する悩みや不安、迷いが和らぐはずです。

そのうえで、今回の記事が参考になればこれ幸いですし、分かりにくい点はどうぞ遠慮なくご質問いただけるととても嬉しいです。

最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。

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