こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。
今日は運転の試験です。
めちゃくちゃ緊張するんですけど〜
き、緊張しすぎてやばいです。
なにか緊張ほぐす方法はないですか?
古今東西、老若男女、自動車教習所での運転の試験というのは、とても緊張するものです。
かくいう私自身も、仕事がら毎年たくさんの運転の試験を今まで受けてきましたが、何度受けてもいつも毎回例外なく緊張していました。
今、技能検定員として受検者を採点する立場になって、のべ2,000人以上の検定を担当してきましたが、みなさんほぼ例外なく、緊張されていました。
今回は、こうした運転の試験のときに少しでも緊張がほぐれる方法を紹介していきます。
以下の記事では、検定で緊張のあまりやってしまう凡ミスについて書いています。参考にしてください。
「緊張しないように」は不可能と心得よ
最初に結論です。
緊張しないようにするのは不可能です!
今まで技能検定員として10年以上、のべ2,000人以上の検定に同乗してきた人間が言うのですから間違いありません。
ほぼ例外なく、運転の試験においては大なり小なり緊張感が漂うものです。
それはもちろん、運転という行為が命に関わるものだからで、採点する側の立場で言うと、緊張してもらわないと困るのです。
鼻歌交じりに、涼しい顔で試験を受けられた日にゃ、私たちはどう採点して良いものか?
Twitterを見ていても、「緊張した」というつぶやきを見かけます。
卒検、疲れて帰ってから爆睡してました😂😂結果は、、合格でした!!よかったです!試験場での学科試験も頑張ります!!
— るんちゃん (@run_3343414281) January 15, 2023
ただ、緊張がまだ取れてないのか吐き気があって空腹なのに全然ご飯が食べられません🥲ゼリーで栄養を摂りました。
でもだからと言って、あきらめてはいけません。
緊張をほぐすのは無理でも和らげることは可能だからです。
- 運転の試験の緊張を和らげる方法
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- ふだんの教習の受け方や通い方で緊張を和らげる方法5つ
- 試験当日に少しでも緊張をほぐす方法5つ
今回は、教習所職員のブログらしく、ふだんの教習所の通い方や技能教習の受け方を工夫して試験当日の緊張を和らげる方法を5つ紹介します。
それに加えて、ベタな緊張緩和法ですが、試験当日に少しでも緊張をほぐすコツも合わせて紹介していきます。
試験の緊張を和らげる教習の受け方5つ
それでは、ひとつずつ深堀りしていきます。
- 少しでも検定の合格率を高めることで緊張をほぐす。
- 自信を持って検定に臨むことで緊張を和らげる。
まず、これらの目的を満たすような教習所の通い方や教習の受け方について解説していきます。
①教習の間隔を空けない
まずは、特に初めての教習所の場合は、技能教習の間隔をあまり空けないように、コンスタントに教習を進めるようにしましょう。
もちろん、繁忙期などで思うように教習の予約が取れない時期や、社会人の方などは、仕事も忙しく思うように教習所に来られない人もいるでしょう。
しかしながら、私もふだん教習業務に携わっていると、ギチギチにバイトを入れてしまっているためになかなか思うように教習が進まない学生さんも結構多いです。
教習所に通っている間は、いろいろ忙しいとは思いますが、できるだけ教習を優先してコンスタントに教習をこなしていくようにしましょう。
あまり教習と教習の間に期間が空きすぎると、ミスも増え、心理的にもあまりよろしいものではありません。
②みきわめはできれば本番の直前に
みきわめとは、第1段階、第2段階それぞれの技能教習の最終時間の教習をいいます。
教習所によって、検定日は決まっていますので、できれば、みきわめ教習はできるだけ検定の前日か前々日に実施するのがよいです。
このみきわめと検定日の間にもあまり日にちを挟まないほうが賢明です。みきわめから検定まで日にちが空いてしまうと、やはり心理的にも緊張感が増しますから。
長く検定員をしていて、普通免許で、今までみきわめから検定まで2週間空いていて、試験のときに上手に走った人を少なくとも私は見たことありません。
③ふだんからミスを恐れず教習をする
これも検定で緊張をしないためにとても重要な教習を受ける上での心構えです。
教習中ミスをしたときに、
- 恥ずかしそうな顔や申し訳なさそうな顔をする教習生
- 「すいません」と謝ってくださる教習生
が、多くいらっしゃるのですが、私はこのような教習生に必ずこう言うようにしています。
今ミスっといて良かったね。これが検定だったらテンパるでしょ?
これで検定で同じミスをしてしまったときの免疫できたやん!!
でもミスしたら先生に怒られそう…。
もし、教習中のミスを怒るような指導員だったら、さっさと担当変更すべきでしょう。
「練習の時のミスで良かったやん!本番じゃなくてラッキーだよ」くらいのノリの指導員が良いですね。
とにかく、練習でたくさんミスをして、本番のときの免疫をつけておきましょう。
④やり直しの仕方を確実に覚える
前述の「練習でたくさんミスをしておけ」というアドバイスとも関連するのですが、ミスしたときのリカバリーの方法をよく覚えておくことです。
- 特に覚えておきたいのは…
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- 方向変換のときの幅寄せ
- 縦列駐車が上手く入らなかったときのやり直し法
- 坂道でエンスト・逆行しそうになったときの対処法
- S字、クランクでの切り返しの方法
例えば、S字やクランクで、接触や脱輪をしそうになった時のことを想像してください。
失敗したら一巻の終わりで切り返しの仕方なんてまったく覚えてない、という場合と、ふだんの教習からしっかり切り返しの仕方をマスターしている場合とでは、全く違うと思いませんか?
つまり失敗したときにやり直しができる人とできない人とでは、同じ課題に臨むのでも心理的な負担は全く違うのです。
この記事を読んでいるあなたは、ふだんの教習から成功体験だけでなく、失敗体験も大切にして、やり直しの仕方まできちんとマスターしておきましょう。
⑤いろんな指導員に教習をしてもらう
特に担当制の教習所の場合、担当の教習生の検定を検定員が実施することは絶対にありません。
その理由は、不正な検定につながるからです。
ですから、ふだんの教習から担当の指導員に頼んだりキャンセル待ちをして、いろんな指導員で教習をしておくと良いでしょう。
なぜなら、ふだんの教習で雑談も交えて教習をした指導員が検定に当たった場合、心理的な負担が軽くなるからです。
全然知らない指導員よりは、少し喋ったことがある指導員が検定に当たった方が緊張がほぐれるに決まっています。
ただ、その指導員が検定に当たるかどうかは「神のみぞ知る」なので、運次第というところはありますけどね。
以上、上手く教習を活用して少しでも緊張を和らげる方法を5つ紹介しました。
以下の記事も参考に、少しでも緊張が少なく、自身を持って運転の試験に臨めるような体制づくりをしてみてください。
検定当日に緊張を和らげる5つの方法
それでは、次は試験当日の緊張を和らげる方法について見ていきましょう。
①好きな音楽を聴く
アスリートが、パフォーマンス向上のために試合前にお気に入りの音楽を聴いているというのはよく聞く話です。
そんな脳科学的な効果ほど高尚でないにせよ、我々一般人も、好きな音楽を聴くと気が紛れて、妙にリラックスできたりしますものね。
私の住む都道府県の場合、指導員の運転の試験が運転免許センターで実施されるのですが、私自身、試験でセンターに向かうまでの道中は、いつもラジオを聴くようにしています。
流れてくるBGMやDJの話を聴きながら運転していると、どことなく気が休まるんですね。
②コースをしっかり覚える
検定コースは、必ず、検定開始よりも早めに発表になります。
ですから当日は少し早めに教習所に行き、コースをしっかり覚えると、本番道順に気を取られないために操作に集中できますね。
もちろん本番も検定員は道順の案内はしますから安心してくださいね。
③体を動かす
特に、バイクの試験においてはとても有効です。
ストレッチをしたり屈伸をしたり、特に冬場などは温かい飲み物を口にしたり、古典的な方法ですが、体を温めることで緊張感が和らぎます。
特に、実際の道路においてもバイクの場合、出発後15分以内の事故が多いです。
二輪の場合は試験で走る時間はおよそ10分程度、普通車でも15〜30分ほどですから、おおよそ体が温まってきた頃に試験は終了します。
ですから、準備体操とまでは言いませんが、試験までに体をほぐしておくことは大切です。
④深呼吸する
人は、緊張すると呼吸が浅くなります。そのときに、意識して深呼吸をするとリラックス効果があるそうです。
しかもこのとき、「吸う」よりも「吐く」に時間をかけてやると緊張がほぐれますよ。
⑤運転の試験だから緊張して当たり前と言い聞かせる
これは、自分を客観視することで冷静さを取り戻して緊張を和らげる方法です。
緊張している自分に、心のなかで「試験なんだから緊張して当たり前」と第三者の立場のような気持ちで自分に言い聞かせるようにしてみてください。
例えば、試験のときに他の緊張している受験者を見て、心のなかで「あなたも緊張してるのね。お互い頑張ろう。」と声掛けするようなイメージです。
このように、テンパっている自分に自分自身で「頑張れ」と声掛けすることで、自分のことも客観視できて少しリラックスできるはずです。
緊張と上手く付き合うためのおすすめ本
プロフィールにも書いたのですが、教習指導員という仕事がら多くの資格を取得しなければなりません。
多いときは1年間に5回以上も運転の試験を受けなければならないこともありました。
そのたびに極度の緊張にさらされてきたので、その時読んでとても参考になった本を3冊紹介します。
①いい緊張は能力を2倍にする
こちらは、キンドル版ですが、精神科医で作家の樺沢紫苑(かばさわしおん)さんの本。表紙はお硬いですが、中身はとても読みやすく平易な文章で書かれています。
多くの人は緊張するもので、「緊張しない」のではなく、緊張と上手く付き合い、「その緊張の中で最高のパフォーマンスを発揮する」ことを目的とした本です。
この本を読むと、緊張を味方につけることができて、なんだか逆に勇気が湧いてきますよ!
ちなみに、Kindle Unlimitedの30日間無料体験を利用すると、無料で読めますよ。
②たった0.5秒で緊張をとるコツ
漫画やイラストでとても読みやすい日本しぐさ協会代表の伊勢田幸永(いせだゆきえ)さんの著書。
この本は、どちらかというと対人場面において強い人になることを目的とするものですが、運転の試験の場面でもかんたんに応用ができる緊張をとるコツ(しぐさ)がたくさん載っています。
③緊張をとる
演劇トレーナーの伊藤丈恭(いとうたけやす)さんの本。
上記の2冊とは一線を画した関西弁で書かれており、著者の、読者に対する強い思いを感じる一冊。
大舞台という意味では、演劇者も検定を控えた教習生も同じ。本番前に是非とも読んでおきたい内容です。
まとめ
今回は、ふだんあまり緊張しない人でも、多くの人が緊張してしまう運転の試験の場面で緊張を和らげる方法を10個紹介しました。
特に、試験の緊張を和らげるために実践できる教習の受け方や、教習所の通い方に関するところを参考に上手く教習所と付き合ってみてください。
そうすれば、多少なりとも自信を持って試験に臨むことができ、そのおかげで相対的に緊張が和らいで、日頃の練習の成果が存分に発揮できることでしょう。
また、今回の記事の疑問点などございましたら遠慮なくこちらからどうぞ。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
自動車教習所は、意外と空き時間が多いです。この空き時間を有効活用して気分転換しましょう。
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