こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
卒検で、横断歩道の歩行者を見落として補助ブレーキされちゃいました〜。
今回は、路上検定でも多いミスである、横断歩道の歩行者見落としについて解説していきます。
突然ですが、JAFが2016年から行っている横断歩道の停止率に関する実態調査をご存知でしょうか。
全国94か所(各都道府県で2か所ずつ)の信号のない横断歩道で、渡ろうとしている歩行者がいた場合の停止率が、調査開始以来、過去最高の30.6%だった(2021年)というものです。
過去最高の30.6%の停止率というニュースは喜ばしいことではあるのですが、逆を言うとまだ70%近いドライバーは一時停止をしていないというのが現実です。
横断歩道では、歩行者がいてもそれを無視して一時停止しないドライバーが多いので、これから免許を取りに行く人もそれが当たり前と思っているのではないでしょうか?
もちろん、技能検定のときに横断歩道に人がいるのに一時停止ない場合は、「歩行者保護不停止等」といって検定が中止になってしまいます。
この記事では、横断歩道の歩行者見落としといったミスを防止するため、ふだんの教習から心がけて欲しいことについても解説しています。
ぜひ、横断歩道に関する正しいルールを身につけて、検定一発合格を目指してください。
横断歩道のルールは?
では、まず横断歩道の正しいルールを理解しておきましょう。
- 横断する人が明らかにいないときはそのまま進むことができる
- 横断する人がいるかいないかはっきりしないときはすぐに停止できるように速度を落とす
- 横断する人やしようとしている人がいるときは一時停止
まず、この基本ルールをおさえておきましょう。
その上でポイントは2つです。
①横断歩道に人がいるかいないかはっきりしないとき
例えば、
- 横断歩道近くに止まっている車がいる
- 横断歩道近くに街路樹や電柱がある
- 横断歩道近くに人はいるが渡る人かどうかはっきりしない
といった理由で、横断歩道を渡りたい人がいるかどうかよくわからない場合は、すぐに停止できるように速度を落とさないといけません。
下の動画を見てください。
これは、対向車線が渋滞して、対向車線側の横断歩道の出入り口がよく見えない状況でした。
この場合、交通ルールにしたがってすぐに停止できるように速度を落としていたために事故が回避できました。
もし、減速していなかったとしたらゾッとしませんか?
卒業検定においては、このような状況で減速をしない場合は、もちろん減点となります。
それだけでなく、事故を回避しなければなりませんから、万一に備え「補助ブレーキ」も視野にいれるような場面です。
しかし、こういった状況でも、緊張のせいか全く速度を落とすことなく横断歩道に突っ込んでいく人は多いものです。
あとから聞くと、以下のような自分勝手な判断をしてしまっている人がほとんどです。
あの人は渡る人だとは思いませんでした。
誰も見えないから、いないと思いました。
- 横断歩道の手前では?
-
- あの人はもしかしたら横断したがっている人かも
- 見えないからこそ誰かいるかもしれない
横断歩道の手前では、常に上記のように考える習慣をふだんの教習からつけておきましょう。
また、以下の記事で、横断歩道の一時停止を含めた卒検一発合格のためのコツについて書いていますので、是非参考にしてください。
②横断歩道を渡りたくて待っている人がいるとき
これは単純明快、一時停止あるのみです。
しかしながら、目の前に横断したくて立っている人がいるにも関わらず、緊張のために目に入っておらず、そのまま進もうとする人が意外と多いです。
緊張のせいといってしまえばそれまでなのですが、これは、やはりふだんの教習での心構えが大切になってきます。
ふだん教習をしていると、信号のない横断歩道を通過するたびに、毎回毎回人が渡りたくて立っているということは皆無です。
むしろ50分の路上教習の中で、横断歩道の歩行者に1回も出くわさなかったということの方が多いです。
ですから、路上教習のときは、ただ漫然と横断歩道を通過するのではなく、常にブレーキに足を構えるなど心も体も身構える習慣づけが大切です。
もちろん、横断歩道に人がいるのにそのまま行こうとした時点で、我々技能検定員は補助ブレーキをかけて検定中止とするのは承知のとおりです。
歩行者保護不停止等とは?
前述した横断歩道のミスを含め、以下の様な場合でも、技能検定では「歩行者保護不停止等」で検定が中止になってしまいますから気をつけてください。
- 右左折後の横断歩道の歩行者
- 歩道や路側帯を横切るときの一時停止
- 横断歩道以外の歩行者妨害
卒業検定においては、信号のない横断歩道上の人だけでなく、こんなことにも注意しなければなりませんので合わせて説明していきます。
①右左折後の横断歩道の歩行者
交差点右左折時は、
- 巻き込み事故防止のための左寄せ、右寄せ
- 右左折時の通行位置や速度
- 対向車の状況
- 信号の変わり目
といった具合に多くのことに気を配らなければなりませんから、右左折後の横断歩道や自転車横断帯にまで気が回らないといった人もよく見かけます。
そのために、卒検のときに右左折後の横断歩道で補助ブレーキをすることが多くあります。
このミスを防止する対策としては、次の2つを徹底してください。
- ふだんの教習で形式的な確認ではなくしっかり確認する癖をつける
- 広く遠くを見る余裕を作るために右左折の速度は徐行
とにかく、交差点は横断歩道を含め、同時に複数の場所に気を配らなければなりませんから、まずは、しっかり速度を落とすことを心がけてください。
②歩道や路側帯を横切るときの一時停止
こんなことやってるのぶっちゃけ教習車だけじゃん?
たしかにおっしゃるとおり、ほとんどの一般車はこのルールを実践していません。
しかし、歩道や路側帯を横切るときは人がいるいないに関わらず一時停止しなければならないと決まっているのです。
一見軽いミスのように感じますが、これも試験が中止になってしまう危険行為となります。
③横断歩道以外の歩行者妨害
道路交通法でも、交差点やその付近で、横断歩道のないところを横断している歩行者に対しては、その通行を妨げてはいけないとなっています。
つまり、横断歩道だけではなく、横断歩道以外の場所でも歩行者の動きには常に気を配っていなければならないのです。
ですから、卒検においては、横断歩道以外の場所でもその通行を妨げた場合は、基本的に検定は中止になりますから注意してください。
検定では、歩行者絡みのミスはほぼ検定中止になると思って間違いありません。
まとめ
そもそも赤信号を、急いでいるからといった自己都合で、信号無視して突っ込んでいく人なんてほぼ皆無です。
でも、横断歩道に関しては、
- 誰も止まってないから
- 時間がなくて先を急いでいるから
といった自己都合で、一時停止しないドライバーが何と多いことでしょうか。
でも、本当は、「赤信号で止まる」も「横断歩道に人がいるから止まる」も法律で決まっていて同列のはずなんですけどね。
大切なことなので何度も言います。
教習所に通っている人やこれから検定を控えている人は、この記事を参考に、是非ふだんの教習から横断歩道の手前で身構える習慣をつけておいてください。
そうすれば、卒検でも横断歩道でも歩行者を見落として不合格といったミスはしないはずです。
そして、免許取得後も、横断歩道を渡ろうとしている人がいたら当たり前に止まることのできる優しいドライバーになってくださいね。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
横断歩道の人を見落としてしまうくらい、検定は緊張で舞い上がってしまう人が多いです。是非以下の記事を参考にして、緊張を和らげてくださいね。
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