こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。
バイクの教習は難しいですか?
バイクの教習ではどんなことをしますか?
今回は、現役の二輪教習指導員が、バイク教習の不安や疑問について一問一答形式でお答えする内容となっています。
ちなみに、バイクの免許に関するQ&Aは以下の記事をどうぞ。
バイクの教習Q&A
- Qバイクの教習は難しいですか?
- A
難しいかどうかは個人の主観や技量にもよると思いますが、日本では、おおよそ1,000万人ほどの人が普通二輪免許を保有しています。
この事実からもそこまで高難度の資格とは言えないでしょう。バイクの免許を取ろうかどうか迷っている人は、チャンレンジしてみてはどうでしょうか?
- Qバイクの教習に予習は必要ですか?
- A
はい、できれば。特に一番最初の教習は予習が好ましいです。
一番最初の教習は、我々教習指導員は、ある程度の予習をして頂いている前提で教習を進めます。
というのも、そうでないとたった50分の教習時間の中で、説明しなければならない事項が履行できないからです。
では、予習をしていなければ絶対ダメかと言うと、それでもなんとかするのが我々指導員の役目ではあります。
しかしながら、予習をしておくと、教習生、指導員双方にとってWin-Winです。
- Q教習開始前に準備しておくバイク用品はありますか?
- A
特にありません。だいたいのものは教習所にありますから。
ただし、コロナ禍ということもあり、共用を避けるために自前のバイクギアを準備する人も増えてきました。
- Qバイクの教習ではどんなことをしますか?
- A
主な課題を列記してみます。
- スラローム
- 一本橋(平均台)
- 坂道発進
- 急制動
- 波状路(大型二輪のみ)
- 狭路(S字、クランク)
坂道発進や狭路は、車の免許にもある課題ですが、それ以外は二輪教習特有の課題になります。
- Q大型二輪と普通二輪で教習内容に違いはありますか?
- A
主な違いは以下の表のとおりです。
大型二輪 普通二輪 教習時限数 31時限 17時限 スラローム 7秒以内 8秒以内 一本橋 10秒以上 7秒以上 波状路 あり なし 教習料金 高い 大型二輪より割安 大型二輪と普通二輪の比較(普通免許を持っている場合) 主な違いは、波状路の有無と、スラロームや一本橋の規定タイムの違いなどがあります。
やはり、その中でも一番大きいのが、一本橋ではないでしょうか?普通二輪の7秒と比べても大型二輪の10秒というのはなかなかに高い壁です!
- Qバイクの教習は危険ですか?
- A
確かに怪我のリスクがないと言うと嘘になります。
実際、私の勤める教習所でも、数年前には骨折事案が発生しています。
また、つい先日も、大型二輪免許教習中の教習生の方が、波状路を練習中バランスを崩した拍子に20メートルほど制御不能で暴走、転倒ということもありました。
幸い怪我もなく、その後の教習は継続はできたのですが、ジャケットはビリビリ、ヘルメットもバイザーが破損しました。
指導員も細心の注意は払っていますが、やはり転倒やそれに伴う怪我のリスクがあるのは事実です。
ですから、二輪の教習は、楽しみつつも、でも四輪のときよりも、より緊張感を保つ必要があります。
- Q雨の日でもバイクの教習はありますか?
- A
よっぽどの大雨でない限りは、バイクの教習を中止することはありません。
ただし、風の強い日や落雷等天候によっては教習、検定を中止することもあります。寒い地域は、積雪にも影響されるでしょう。
- Qスラロームとはどんな課題ですか?
- A
スラロームは、正式名称を「連続進路転換コース」といいます。
等間隔に置かれたロード・コーン(パイロン)を左右ジグザグに通過する課題です。
- Qスラロームは難しいですか?
- A
スラロームは、実はそこまで難易度は高くありません。
是非以下の記事を参考にしてください。
- Qスラロームは、規定のタイムをクリアしなければならないと聞きましたが?
- A
スラロームには、ご質問の通り規定の通過タイムというものがあります。
車種 規定タイム 普通自動二輪免許 8秒以内 大型自動二輪免許 7秒以内 スラロームの規定タイム この規定タイム以上に時間がかかってしまっても、即、検定中止というわけではありませんので、どうか安心してください。
ただし、超過した秒数に応じた減点がされますので注意が必要です。
- Q小型二輪もスラロームはしないといけませんか?
- A
小型二輪免許にスラロームの課題はありません。
- Q一本橋とはどんな課題ですか?
- A
一本橋とは、正式名称は直線狭路台といい、長さ15メートル、幅30センチメートルの台の上を落輪せずに通過する課題です。
下図のような規定タイムが設けられています。
車種 規定タイム 大型二輪 10秒以上 普通二輪 7秒以上 小型二輪 5秒以上 一本橋の規定タイム
- Q一本橋は難しいですか?
- A
一本橋は、ほとんどの教習生の方にとって、もっとも緊張する課題ではないでしょうか?
普段の教習業務では、一本橋は、一般的に年齢が若い人ほど有利な印象を受けます。
- Q波状路とは何ですか?
- A
波状路とは、大型二輪免許にしかない課題で、約10メートルの間に設置された9個の不等間隔に並んだ段差をゆっくり時間をかけて立ち姿勢で通過する課題です。
- Q1日に何時間教習できますか?
- A
第1段階は1日に2時間、第2段階は1日に3時間まで教習できます。
しかし、第2段階は3時間連続での教習はできません。
もし3時間教習する場合は、1時間以上インターバルを設けなければなりません。
まとめ
私の勤める教習所では、ここ数年、コロナ禍ということもあり、
- 電車通勤からバイク通勤に切り替えたい。
- 何か屋外の趣味を持ちたい。
- 車の2台持ちは、経済的に厳しい。
といった理由で、二輪免許の入所者が増加傾向にあります。
この記事を読んでくださっている方の中にも、漠然と「バイクの免許ほしいなあ」と思っている人もきっと多いことでしょう。
確かに、バイクは四輪車と比べると、身体がむき出しですから、危険な乗り物であることは事実です。しかし、それ以上にメリットの多い乗り物でもあります。
バイクの免許を取ろうかどうか迷っているあなた、ぜひ教習所の門を叩いてみてください。
バイクの免許を取りに行くことに少なからず不安を抱えている人も多いと思いますが、我々指導員が丁寧に指導しますからきっと大丈夫ですよ。
疑問、質問等ございましたらこちらから遠慮なくどうぞ。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
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