こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。
普通車の卒業検定で完走したのに不合格でした。どうして?
今回の記事は、普通車の卒業検定(以下「卒検」)において、ちゃんと完走したのにも関わらず、不合格になってしまう件についてまとめた記事です。
せっかく完走しても卒検不合格になってしまうには、それ相応の原因や理由があるのです。
そこで、卒検に不合格になってしまった人はもちろん、これから卒検を控えている方は、ぜひ本記事を参考にして一発合格を目指してください。
卒検とは何か?
卒検とは、教習所を卒業する前の実技試験のことで、これに合格すれば晴れて教習所卒業となる実技の最終試験のことです。
仮免取得のための試験である修了検定(以下「修検」)と同様に、合格基準は100点満点からの減点方式で、70点以上が合格になります。
そしてふだん検定業務を担当していると、卒検に関して、よく教習生の人からよくこんな質問を受けます。
卒検って最後まで完走すれば絶対合格なんでしょ?
もちろん答えは”NO”です!
以下の記事では、修検について書いていますが、卒検も修検同様に完走しても不合格になることはあります。
以下、卒検で完走しても不合格になる要因について見ていきます。
卒検で完走しても不合格になる理由とは?
卒検で、完走しても不合格になる理由については、いくつかの要因があります。
①卒検は路上走行部分と場内課題の二本立てのため
卒検は、路上の走行部分と、場内課題(方向変換or縦列駐車)の二本立てで行われます。
実施する順番、流れとしては、まずは路上走行での採点をします。そして、路上の検定から帰ってきて、合格の可能性が残っている受検者に対して、場内の課題を実施します。
つまり、路上の走行部分で減点が積み重なっていて合格の可能性がない場合、場内の課題は行いません。
ということは、場内の課題をやらせてもらえないときは不合格なのですね?
そのとおりです。
この場合、路上の走行部分は完走しているわけですが、場内課題が実施できていないため、結果は不合格となります。
②場内課題でのミスが致命傷になるため
ということは、路上から帰ってきて、場内の課題に進めたときは合格なのですか?
卒検は、路上の走行部分と、場内課題部分を合わせて採点をします。
採点は、前述したとおり100点満点からの減点方式で行い、70点以上であれば合格です。逆に、30点を超えて減点され、70点未満であれば不合格という方式で実施します。
例えば、あなたが卒検のとき、路上の走行部分だけで30点減点され、70点ギリギリで教習所に戻ってきたとします。
もちろんこのとき、受検者であるあなたは何点減点されているかは知る由もなく、点数は検定員の頭の中にあるだけです。
この場合、まだ合格の可能性が残っているため、当然、その時の技能検定員は、場内の課題を行う旨の指示をします。
そして、受検者であるあなたは方向変換や縦列駐車を行います。
その場内課題の際、安全不確認や脱輪、切り返し、合図不履行などのミスをしたとすると、それで70点未満となってしまいます。
すると、卒検をきちんと完走したとしても残念ながら不合格となってしまうわけです。
卒検でしっかり合格をもぎ取るためには?
では、卒検でしっかり完走して合格する秘訣を教えて下さいよ!
もちろんです。
ただ、卒検合格の秘訣と言っても、何か飛び道具的な裏技があるわけでもなく、とにかく愚直に教習をこなしていくほかありません。
多くの教習指導員は、同時に技能検定員という資格も持っていて、検定業務も行いますから、まずは技能教習のときに、担当指導員の指摘にきちんと耳を傾けてみてください。
それが卒検合格の一番の近道です。
もし、担当指導員と反りが合わないのなら以下の記事を参考に担当変更も視野に入れてください。
それも踏まえて、以下に、卒検で心がけてほしい点について見ていきます。
①路上をしっかり丁寧に走り切ること
実は、エンストや、合図(方向指示器)のミス、右左折時の左寄せ、右寄せが不十分といったミスのように、修検よりも卒検のほうが減点数が大きいミスも多々あります。
ですから、路上の走行部分は、なるべくミスのないように丁寧に走り切ることが重要になってきます。
以下の記事を参考に、普段の教習から正確さや丁寧さを意識して運転練習してください。
②場内課題を完ぺきにこなすこと
前述したとおり、場内の課題に進めるということは、合格の可能性があるときだけです。
ということは、場内課題を減点されることなく完璧にこなせば、路上走行部分の減点数に関わらず、卒検は合格となるわけです。
日頃の教習でしっかり場内課題をマスターしておいてくださいね。
しかし「言うは易し、行うは難し」で場内課題をノーミスでクリアするのはそう簡単ではありません。
特に、後退にともなう安全確認のミスや合図のミス、また脱輪などのミスがよく見られますので、普段の教習から車庫に収めることだけで満足しないようにしましょう。
- 後退前の安全確認や後退中の周囲の安全確認を忘れないこと。
- 右バックの際の右合図、左バックや縦列駐車の際の左合図を忘れないようにすること。(※)
- 脱輪すると減点になるので、脱輪しそうな場合は必ず切り返しをすること。
(※)都道府県によっては、なくても良い場合やハザードで代用可のところもあるようです。
まとめ
今回は、普通車の卒検で、きちんと完走したのに不合格になってしまう原因やその対処法についてまとめました。
日頃、検定業務で教習生の方と接していると、大多数の人はとても緊張しています。それが、何が起きるかわからない路上での試験であればなおさらです。
卒検に一発合格したいのはみんな一緒です。
ただ、極度の緊張の中で、いつもの練習通りの力を発揮するというのはなかなか難しいものです。
こんな記事も書いていますので、少しでも検定の合格率が高まるような秘訣を書いていますので是非参考にしてください。
また、以下の記事では、卒検でありがちな危険行為(これをやったら一発アウトの行為)についてもまとめていますのでぜひご覧くださいませ。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
卒検に合格したあかつきには、学科試験も待っていますよ!
自動車教習所は試験や検定で緊張するシーンが多いです。空き時間を有効活用して気分転換しましょう。
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