こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。
学科が苦手です。
どんな勉強をすればよいですか?
今回は、教習指導員が厳選した超難問ひっかけ問題を30問準備しました。この問題を解いて学科試験の勉強法や雰囲気をつかんでくださいね。
本記事は、ぜひすきま時間を活用して読んでみてください。
仮免学科試験とは何か?
仮免学科試験とは、修了検定に合格した人が受けることのできる学科試験のことで、運転だけでなく、この学科試験にも合格しなければ仮免許が取得できないという重要な試験です。
ちなみに、修了検定についてはこちらに詳しく書いています。ぜひご覧くださいませ。
その仮免学科試験のルールは以下の通り。
- 問題数は50問の正誤式(○✕問題)
- 45点以上で合格
- 制限時間は30分
学科の勉強はとにかく問題を解くこと!
教習指導員的おすすめの学科勉強方法はいたってシンプルです。
とにかく問題を解く。
これだけです。
日常生活のすべてを免許取得に捧げることのできる人はよいのですが、おそらくほとんどの人が、学校、仕事、バイト、子育て、デート等々他にもたくさん用事があると思います。
運転免許取得をとにもかくにも最優先にとはなかなかいかないでしょう。効率よく勉強することが大切です。
大体日本の免許保有者数は8,000万人で、みんな学科試験を突破して免許を取得しているわけですから、そこまで難易度の高いものではありません。
ですから、学科教本を隅から隅まで読み込んでから試験に臨むなんて、勉強時間がかさむだけで効率的ではありません。
それよりもまずは、学科教習でしっかり学科の授業を聞き漏らさないようにしましょう。
我々教習指導員は、授業中引っかかりやすい問題や間違えやすいポイントを必ず強調して説明していますから、マーカーや赤線等学科教本にしっかりチェックを入れておきましょう。
ある意味それで試験対策は十分と言えます。
あとはひたすら問題集を解くのです。そして正解した問題はスルーで構わないので、間違った問題のみ学科教本でしっかりと見直すのです。
運転免許取得のときの学科試験勉強法はこれで十分です。
ここでの最大のポイントは、迷った問題の取り扱いです。
運転免許を取得するときの学科試験は正誤式(いわゆる○✕問題)ですから、勘でも正解率は50%です。
そのため、たまたま正解した問題も、間違った問題と一緒に学科教本等を使用してきちんと見直しておくとより効率的と言えるでしょう。
まとめると、ポイントは以下の3つです。
- まずしっかり学科の授業を聞く。
- その上で問題集を解く。
- 間違った問題と迷った問題をしっかり見直す。
もちろん今回の記事で紹介している難問は、仮免だけでなく本免試験の対策にもなりますから、第二段階の人も是非チャレンジしてみてください。
では、超難問を解いてみましょう
では、教習指導員が厳選した、特に正答率が低い難問30問を解いてみてください。
1. この標識は、横断歩道か自転車横断帯のいずれかがあることを示している。
2.このような標識のあるところでは、標識の直前で一時停止しなければならない。
3.この標識のあるところは、道路工事中であるため徐行して通行しなければならない。
4.この標識のある道路では、普通乗用自動車は、最も左側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行しなければならない。
5. 前方に歩行者や自転車を認めたときは、予期しない行動をするかもしれないので、いつでもハンドルで避けられるように身構えて運転する。
6. 青色の灯火の場合、すべての車は、直進し、左折し、右折することができる。
7. 正面の信号が黄色の点滅をしているときは、車は徐行して進まなければならない。
8. 追い越し禁止の場所であっても、原動機付自転車なら追い越してもよい。
9. 内輪差とは、車がまがるとき前輪が後輪よりも内側を通ることによる前後輪の軌跡の差をいう。
10. 免許の区分は、大きく分けると、第一種免許、第二種免許、原付免許の3つに区分される。
11. 踏切、横断歩道、自転車横断帯とその手前30メートル以内の場所では、追い越しも追い抜きも禁止されている。
12. 上り坂の頂上付近やこう配の急な坂は、徐行すべき場所である。
13. 中央線は、必ず道路の中心にひかれている。
14. 故障車をけん引するとき、その故障車の総重量が750キロを超える場合はけん引免許が必要である。
15. 車の運転者は、泥や水をはねて他人に迷惑をかけないように注意して徐行しなければならない。
16. 歩行者のそばを通るときは、安全な間隔を開け、なおかつ徐行しなければならない。
17. 中型免許は、20歳以上の人か、または準中型免許・普通免許・大型特殊免許のいずれかを受けていた期間が通算して2年以上ある人が受験できる。
18. 標識や標示によって横断や転回が禁止されている道路では、同時に後退も禁止されている。
19. 赤色の灯火の点滅信号は、車と歩行者は停止位置で一時停止しなければならない。
20 停留所で止まっている路線バスが方向指示器などで発進の合図をしたとき、後方の車は路線バスの後方で一時停止しなければならない。
21. 交差点とその前後30メートル以内の場所は、優先道路を通行している場合を除き、追い越しが禁止されている。
22. 自動車が一方通行路で右折するときは、あらかじめ道路の中央により、交差点の中心の直近を徐行しなければならない。
23. 水たまりや、ぬかるみを通行するときは、泥や水などを飛ばして他人に迷惑をかけないように注意して徐行しなければならない。
24. 信号機のある交差点で、停止線のないときの停止位置は、信号機の直前である。
25. 横断する人がいるかいないか明らかでないときは、横断歩道の手前で停止できるように徐行しなければならない。
26. 車の運転者は、「警笛区間」の標識がある区間内で、道路のまがりかどを通るときは、警音器を鳴らさなければならない。
27. 車は、交通整理の行われていない交差点においては、交差する道路が優先道路であるときや、交差する道路の道幅が広いときは、一時停止しなければならない。
28. 車は、交差点の中では転回してはならない。
29. 同一方向に2つの車両通行帯がある道路では、速度の遅い車は左側の通行帯を通行し、速度の遅い車は右側の通行帯を通行する。
30. 本標識とは、規制標識、指示標識、警戒標識、補助標識の4種類である。
さあ、いかがでしたか?
では、答え合わせをしてみましょう。
答え合わせと解説
みなさんいかがでしたか?
それでは答え合わせをしてみましょう。
実は、上記の30問の答えは、すべて「✕」でした。
いやらしい問題ばかりですいません。
では、早速解説していきますね。
1. この標識は、横断歩道か自転車横断帯のいずれかがあることを示している。
横断歩道と自転車横断帯の両方があることを示しています。
2.このような標識のあるところでは、標識の直前で一時停止しなければならない。
標識の直前ではなく、停止線の直前(停止線がないときは交差点の直前)です。
3.この標識のあるところは、道路工事中であるため徐行して通行しなければならない。
この警戒標識は、警戒を促しているだけで徐行しなければならないという意味はありません。
4.この標識のある道路では、普通乗用自動車は、最も左側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行しなければならない。
この標識は、大型貨物自動車、特定中型貨物自動車、大型特殊自動車は、一番左の車線を走りなさいと言ってるだけですから、普通車はどこでも通れますよね。
5. 前方に歩行者や自転車を認めたときは、予期しない行動をするかもしれないので、いつでもハンドルで避けられるように身構えて運転する。
ハンドルよりもまずはブレーキで身構えなさいという問題です。
6. 青色の灯火の場合、すべての車は、直進し、左折し、右折することができる。
車の中には、原付や軽車両も含まれるところがポイント。二段階右折をしなければならない原付と軽車両は右折することができません。
7. 正面の信号が黄色の点滅をしているときは、車は徐行して進まなければならない。
黄色の点滅信号は、徐行ではなく注意です。
8. 追い越し禁止の場所であっても、原動機付自転車なら追い越してもよい。
原動機付自転車ではなく軽車両なら追い越せます。
9. 内輪差とは、車がまがるとき前輪が後輪よりも内側を通ることによる前後輪の軌跡の差をいう。
後輪が前輪よりも内側を通ることを内輪差といいます。
10. 免許の区分は、大きく分けると、第一種免許、第二種免許、原付免許の3つに区分される。
原付免許ではなく仮免許です。
11. 踏切、横断歩道、自転車横断帯とその手前30メートル以内の場所では、追い越しも追い抜きも禁止されている。
踏切は、追い抜きはできる場所です。
12. 上り坂の頂上付近やこう配の急な坂は、徐行すべき場所である。
こう配の急な坂ではなく、こう配の急な下り坂です。
13. 中央線は、必ず道路の中心にひかれている。
中心ではなく、中央です。
14. 故障車をけん引するとき、その故障車の総重量が750キロを超える場合はけん引免許が必要である。
故障車の場合、けん引免許はいりません。
15. 車の運転者は、泥や水をはねて他人に迷惑をかけないように注意して徐行しなければならない。
注意しなければならないが正解で、徐行しなければならないわけではありません。
16. 歩行者のそばを通るときは、安全な間隔を開け、なおかつ徐行しなければならない。
安全な間隔を開けるか、それができなければ徐行です。
17. 中型免許は、20歳以上の人か、または準中型免許・普通免許・大型特殊免許のいずれかを受けていた期間が通算して2年以上ある人が受験できる。
20歳以上の人か、ではなく、20歳以上の人でしかも経験年数が2年と両方の条件を満たさなければいけません。
18. 標識や標示によって横断や転回が禁止されている道路では、同時に後退も禁止されている。
後退は禁止されていません。
19. 赤色の灯火の点滅信号は、車と歩行者は停止位置で一時停止しなければならない。
歩行者は一時停止ではなく、注意です。
20. 停留所で止まっている路線バスが方向指示器などで発進の合図をしたとき、後方の車は路線バスの後方で一時停止しなければならない。
一時停止しなければならないわけではなく、発進を妨げてはならないが正解です。
21. 交差点とその前後30メートル以内の場所は、優先道路を通行している場合を除き、追い越しが禁止されている。
「前後」ではなく、「手前」です。
22. 自動車が一方通行路で右折するときは、あらかじめ道路の中央により、交差点の中心の直近を徐行しなければならない。
「中央」ではなく、「右端」です。
23. 水たまりや、ぬかるみを通行するときは、泥や水などを飛ばして他人に迷惑をかけないように注意して徐行しなければならない。
注意して徐行しなければならないのではなく、徐行するなど注意するが正解です。
24. 信号機のある交差点で、停止線のないときの停止位置は、信号機の直前である。
信号機の直前ではなく、交差点の直前が正解です。
25. 横断する人がいるかいないか明らかでないときは、横断歩道の手前で停止できるように徐行しなければならない。
徐行しなければならないではなく、すぐに停止できるように速度を落として進むが正解です。
26. 車の運転者は、「警笛区間」の標識がある区間内で、道路のまがりかどを通るときは、警音器を鳴らさなければならない。
道路のまがりかどではなく、見とおしのきかない道路のまがりかどです。
27. 車は、交通整理の行われていない交差点においては、交差する道路が優先道路であるときや、交差する道路の道幅が広いときは、一時停止しなければならない。
一時停止ではなく、徐行です。
28. 車は、交差点の中では転回してはならない。
中央分離帯のある道路だと、逆に交差点内でしか転回できませんよね。
29. 同一方向に2つの車両通行帯がある道路では、速度の遅い車は左側の通行帯を通行し、速度の遅い車は右側の通行帯を通行する。
実際の道路交通の場はそうなっているかもしれませんが、基本は左側の車線を通行し、右側の車線は追い越しや右折のときに通行します。
30. 本標識とは、規制標識、指示標識、警戒標識、補助標識の4種類である。
補助標識ではなく、案内標識が正解です。
しっかりと勉強したい人におすすめの本2冊
もっとガッツリ勉強したいあなたには、以下の2冊をおすすめします。
どちらか一冊をしっかりやり込んでおけば、鬼に金棒の良書です。
①完全合格!普通免許2000問実戦問題集
成美堂出版の王道問題集。私も教習所の入社試験のときに利用しました。
暗記ブック付きで、ズシリと来る重量感は勉強しよういう気にさせてくれます。この問題数とボリュームで約1,000円とコスパ最強の一冊!
②一発で合格!普通免許 合格問題集 改訂新版
こちらは新星堂出版のもので、昔からある老舗問題集です。
本書は、2023年2月現在の道路交通法施行規則に完全対応した最新版です。
ひっかけ問題、実践問題集、一問一答集とイラスト豊富な解説が、コンパクトなページ数で上手く網羅されていておすすめです。
とにかくページ数とわかりやすさのバランスがとても良いですね。
他にも、学科試験の詳しい勉強法やおすすめのテキストや問題集を以下の記事で紹介しています。
まとめ
今回の30問は、僕の勤める自動車教習所の効果測定や学科教習中の力試し問題の中でも特に正答率の低いものを取り上げてみました。
みなさんは解いてみてどう感じたでしょうか?
重箱の隅をつつくような問題ばかりで難しすぎでしょ?
こんなのただの言葉遊びじゃん!
そのとおりです。あえて今回は、超いやらしい問題ばかり集めたのです。
- そのこころは?
-
- とにもかくにも問題文を丁寧に読んでほしいから、言葉遊びみたいな、重箱の隅をつつくような問題ばかり集めたのです。
例えばこの問題が好例です。
17. 中型免許は、20歳以上の人か、または準中型免許・普通免許・大型特殊免許のいずれかを受けていた期間が通算して2年以上ある人が受験できる。
私の勤める自動車教習所の効果測定の中にこの問題を入れているのですが、問題文を雑に読む人がよく間違えます。
太字にしてある「中型免許」「20歳以上」「2年以上」、これだけ見れば、この問題は○(まる)っぽいです。
でも、接続詞が「20歳以上で」じゃなく「20歳以上か」になっているだけで、✕(ばつ)になるのです。
今回の記事は、いかに問題文を丁寧に読むことが大切であるかが分かって頂きたくて書きました。
というのも、以下の記事で書いているのですが、学科試験の点数が伸び悩む人ほど、問題を解く時間も早いし、見直しもしないからです。
ぜひとも、今回の記事をきっかけに丁寧に問題文を読む習慣をつけてください。
また、以下の記事では、効果測定の活用法や合格のコツについてもまとめていますので参考にしてください。
以下の教習項目については、拙ブログでも要点とひっかけ問題対策の記事がありますのでぜひぜひ参考にしてください。
- ひっかけ問題対策の記事一覧
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
本免試験の対策記事もあわせてお読みくださいね。
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