技能検定

修了検定に落ちたあなたを技能検定員が全力で励ます!

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こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。

このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。

修了検定が不合格でした。

自分が情けないです。

私も途中で補助ブレーキをされて不合格でした。

もう、免許を取りに行くのが嫌になりそうです。

今回は、普通車の修了検定(以下、修検)に不合格だったあなたを、ただただ励ます記事になっています。


以下の記事でも検定に落ちた人を励ましていますが、今回は、さらに修検に落ちた人を、採点する側の人間がさらに全力で励ますことに特化した記事になっています。

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修了検定の合格率は?

修了検定で落ちる人なんているの?

よく教習生の人に質問されますが、修検の合格率に関してなにか公的な統計があるわけではありません。

ですから、あくまで技能検定員歴12年の作者の肌感覚ではありますが、普通車の修了検定の合格率は、80〜90%ほどです。

合格率、結構高いですね!

じゃあ、修検落ちたらなおさら恥ずかしいじゃないですか?

ひろくん
ひろくん

いやいや、修検の合格率が高いのにはちゃんと訳があるのですよ!

修検前の最後の教習のことを「みきわめ」といいます。

このみきわめで、我々教習指導員は、教習生の方々が検定に合格できる実力があるかをみきわめます。

検定に合格できる実力があれば『良好』、そうでなければ『不良』となり、追加教習(いわゆる補修)となります。

そもそも検定に合格する可能性が低ければ、検定に合格する実力に達するまで補修をします。

補修なんて厳しすぎるのでは?

ひろくん
ひろくん

補修よりも検定で落ちるほうがよっぽどつらいですから!

一見、補修をつける指導員は厳しい指導員のように感じます。

しかしながら、検定で落ちるほうがよっぽどつらいのではないでしょうか?

ですから、どんなにひいき目にみても合格の可能性がない場合は、われわれ指導員は当然のように補修を言い渡します。

逆を言うと、担当の指導員が、みきわめ良好として教習生の方々を検定に送り出した時点で、合格の可能性がかなり高いわけです。

というわけで修検の合格率が高いのにはちゃんと理由があるのです。

じゃあ、なぜ修検に落ちる人がいるのですか?

ひろくん
ひろくん

それは以下で解説していきます。

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運転は水物だから

修検に合格しても、それだけでは仮免許証取得とはなりません。

ご存知の通り、仮免取得のためには、その後の仮免学科試験にも合格しなければならないことはいうまでもありません。

この仮免学科試験の合格率も、技能検定とおなじおおむね80〜90パーセントといったところです。

この仮免学科試験の場合、指導員からみて、不合格になる人の特徴はほぼ勉強不足です。(落ちた人ごめんなさい。)

しかし、実技試験である修検はスポーツと同じで、まさに水物(そのときの条件によって変わりやすく、予想しにくい物事)なのです。

スポーツも、一生懸命練習したら全員優勝するかといったら、当たり前のことですが、優勝以外は必ず負けるのです。

それと同じで、修検も一生懸命練習したから、みきわめ良好だったから、運転のセンスがあるから100パーセント合格できるかと言ったらそうではありません。

ただ合格できる可能性が高いというだけです。

甲子園準優勝のチームは、情けないでしょうか?恥ずかしいでしょうか?決してそんなことはありませんよね?

修検も同じです。不合格だと恥ずかしいのか?情けないのか?運転に向いていないのか?否、決してそんな事はありません。

この人は絶対一発合格するだろうなという人が思いがけないミスをして落ちたかと思うと、補修をしまくった教習生の人が一発合格したりというのはよくあることです。

ひろくん
ひろくん

検定不合格=下手ということでは決してありませんよ。

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極度に緊張するから

大げさでも言い過ぎでもなく、人生においてこんなに緊張して運転することは、後にも先にもこの修検くらいではないでしょうか?

そのくらいに、修検は緊張します。その緊張からか、ふだんはしないようなミスをしがちになるのが修検です。

緊張から思い通りの実力を発揮できないことはよくあることです。

緊張しない方法ってありますか?

ひろくん
ひろくん

ありません!(きっぱり)

例えば、検定に合格する自信がないので、お金をかけて補修をしたとしましょう。さて、補修をすればするほど、検定で緊張しなくなるでしょうか?

答えは、NOです。

どんなに練習を積んでも緊張するものは緊張するのです。例えば、大型免許や二種免許などはすでに普通免許を取得している、何ならベテランのドライバーの人が多いです。

それでもやっぱり皆さん口を揃えてこう言います。

先生、やっぱり試験は緊張しますね〜(汗)

そうなんです。運転の試験というのは緊張するものなのです。

ましてや、まだ免許を持っていない人が運転の試験を受けるとなると、緊張して当然ではないでしょうか?

運転というのは、大げさでなく、人の生き死ににかかわるとても危険な行為です。

本来してはいけない危険な運転というものを、特別にしてもいいよと免じて許す行政行為が運転免許ですから、それを取得するにあたって緊張するのは当然と開き直りましょう。

そして、修検不合格の要因は、あなたの運転センスのなさではなく、極度の緊張が引き金になっているだけですからどうか安心してください。

修検不合格は貴重な財産になる

普通車の修検は、多くの人にとって人生初の運転の試験になります。

しかも、

  • 水物である運転の試験を
  • 極度の緊張感と戦いながら
  • 免許を持っていない初心者が
  • 技能検定員に助手席で採点される

という不安定要素満載の試験なのですから、不合格になる人もいて当然です。

ですから修検で不合格になった方は、落ち込むなとは言いませんが、決して悲観的にならないでほしいのです。

検定に落ちるなんて、どうせ私には運転のセンスがないのよ。

自分の下手くそさにはうんざりするよ。

修検に不合格になったあなたは、決して自分を責めないでください。

センスが無いわけでも、運転が下手な訳でもありませんから。ただ、不合格になってしまったというだけです。

そんなのなぐさめにもなんにもならないですよ。

では、逆にこのように考えてはどうでしょうか?

ひろくん
ひろくん

検定不合格は、誰もができるわけではない貴重な経験ですよ!

検定に落ちたという経験は、誰もができる経験ではありません。まさに一生モノの貴重な体験と思いましょう。

というのも、免許を取得して何十年も経過すると、教習のときにどんな指導を受けた等細かい内容はほぼ忘れてしまうものです。

しかし、検定に落ちたということは一生忘れないでしょう。

私自身も、仕事がら運転の試験を数十回受けてきました。

そして2021年に受けた大型特殊自動車の指導員の試験では、指導員なのに脱輪で不合格になってしまいました。

ひろくん
ひろくん

指導員なのに脱輪で不合格なんて、メンタルかなりやられましたよ。

しかし、この検定に落ちた経験こそ、一生自分自身を謙虚でいさせてくれる源となるのです。

そんなおおげさなっ。

大げさではありません。自分自身、この落ちた経験があるからこそ、指導員として謙虚でいられるのですから。

指導員も人間ですから、そんなにずっと聖人君子でいられるわけではありません。

ひろくん
ひろくん

何でこんな簡単なことも出来ないのだろう?

時として、こんな感情が心のなかに湧き上がるのも事実です。

しかしながら、そのときに指導員の試験に落ちた経験が、いつも自分を謙虚でいさせてくれるのです。

ひろくん
ひろくん

自分も指導員なのに脱輪したしね…。

検定に落ちたあなたも同じです。

人間ですから、時が経ち運転に慣れてくると、初心者のときの気持ちを忘れ、自己流になったり、なあなあになったり、いいかげんになったりするものです。

でも、そんなときに修検に落ちたときのことを思い出してみてください。きっといつまでも慎重さと謙虚さを忘れずにハンドルを握ることができるはずです。

修検不合格は、確かにかなりショックな出来事です。

しかし、それで謙虚さと慎重さを忘れずに安全運転を続け、無事故無違反でずっと運転できたなら、修検不合格はあなたにとって大きな財産となるはずです。

補修を経験するとレベルアップできる

修検不合格の場合、すぐに検定を受け直すことは出来ません。

必ず、義務補修として1時限以上の補修が必要になります。

そして、この補修が肝となります。補修をすると、たった1時限ですが、いつもの教習よりも教習生の方の成長の度合いがまるで違うのです。

補修代金や再検定料は、最初に支払う教習料金の中には基本的に含まれていませんから、身銭を切る事になります。(※注)

(※注)教習所によっては補修代金無料プランを設けている教習所もあります。

身銭を切る事で真剣味が増すのか、はたまた、修検に落ちたことで危機感が増すのか、補修での伸びしろは半端ないです。

たとえ修検に不合格だったとしても、自分の欠点が明らかになるし、補修でしっかりその欠点をカバーして余りあるくらい技量が向上します。

これからの長い長い運転人生を考えると、検定不合格なんてちっぽけなものだし、逆にそれで技量が向上し、その後無事故無違反で過ごすことできれば、こんな良いことはありません。

まとめ

修検に落ちることはたしかにショックなことではあります。

しかし、どんなに頑張って教習をしても、どんなに運転のセンスがあろうとも合格率100%はありえません。だから当然あなた自身が不合格になることだってあるのです。

ただそれは、何度も言うように、運転に不向きだから、また、センスが無いから不合格になるわけではありません。

修検の独特の緊張感や、卒検に比べるとまだ未熟な段階で受ける試験であること、S字やクランクなどのように路上よりも狭い道が多いし、右左折が多く難易度が高いことなど、不合格になってしまうような要素も多いです。

ですから、この記事を読んでくださっているあなたが、たとえ修検に落ちてしまったとしても決して自分のことを責めないでください。

前述したとおり、良い経験ができたと前向きに頑張ってほしいものです。

我々採点する技能検定員も決して不合格にしたくてしているわけではありません。何なら、心のなかでは「どうか落ちないでほしい。」と祈っているのです。

じゃあ、少々のミスは大目に見てよ~。

ひろくん
ひろくん

…。しかし、それはあなたのためになりませんよ。

そりゃあ、少々のミスに目をつぶって合格にしてよという気持ちは分からなくもありません。

しかし、我々技能検定員にも優良な初心運転者の育成という責任がありますし、それに、ミスに目をつぶることが本当に優しさなのでしょうか?

否、決してそうではないはずです。

修検不合格であれば、不合格をしっかりと受け入れて、補修をして再度検定を受け直せば何も問題ないのですから。

ひろくん
ひろくん

不合格になってラッキーくらいに開き直りましょう。

とにもかくにも、一生懸命やった結果の不合格であれば、立派な勲章です。

絶対に自分を責めないでどうぞ前向きに頑張ってくださいね。この記事が、修検不合格になったあなたの一助となれば、本当に嬉しい限りです。

最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。


自動車教習所は、試験や検定など緊張するシーンが多いものです。空き時間を活用して気分転換を図りましょう。

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