こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。
技能教習中、先生と雑談しますか?
私の担当指導員はほとんど喋らず、なんだか静かすぎて緊張してしまいます。
僕の担当の先生は逆にむちゃくちゃ話しかけてくるんです!
運転に集中できないんだけど。
本記事は、教習中の指導員との雑談に悩んでいる人に、その対処法を現役教習指導員が解説しています。
- 特に本記事を読んで欲しい人は?
-
- 指導員の雑談が多く、運転に集中できない人
- 教習中全然雑談がなく、沈黙や静けさで緊張する人
普段の教習業務の中で教習生の方々から聞いたり、SNSやネット掲示板を見る限り「指導員とのコミュニケーションにおける悩み」は、おおむね上記の2つです。
今回の記事では、
- 教習中の雑談が苦手
- 逆に教習中の沈黙が苦痛
といった場合、どうすれば良いのか深堀りしていきます。
教習中の雑談はあり?なし?
そもそも、技能教習中の雑談はOKなのでしょうか?
技能教習は、1時限当たり50分間を、フルにきちんと教習しなければなりません。
ですから極端な話をすると、例えば教習生の人が1分遅刻して、49分しか教習をしなかった場合でも、その教習は成立しなくなります。
へ〜、結構厳格で厳しいのですね。
これを「教習の欠略」と言い、他にも例を挙げると、
- 教習中に、指導員がスマホを触っていた
- 教習中指導員が居眠りをした
といった場合でも、指導員が教習に専従していないため、その教習は無効になってしまいます。
そういう意味で言うと、雑談の定義や内容にもよりますが、教習に全く関係のない話に終始してしまうのはNGと言えるかもしれません。
しかしながら、私自身も、特に技能教習では、
- 信頼関係を築く
- 緊張を和らげる
といった目的で、雑談をすることももちろんあります。
①信頼関係を築く
特に、
- 担当の教習生さんとの初めての教習時
- キャンセル待ち等で初対面の教習生さんと相対するとき
には、信頼関係を築くためのテクニックとして「雑談」を取り入れています。
というのも、最初に指導員と教習生の間にある程度の良好な関係を築くことができれば、
- その後の教習の雰囲気
- 教習効果
といったものがとても良くなるからです。
心理学者ティモシー・ウィルソンによると、人間は、出会った相手を最初の2秒で値踏みしているのだそうです。
また、さまざまな研究によると、会話が始まっておおむね1〜4分ほどで相手に対する印象や評価が決まってしまうのだそうです。
ですから、教習生の方々との最初のコミュニケーションには、私自身はとても気を使っています。
②緊張を和らげる
基本的に技能教習は緊張するものです。
どんなに運転が上手でも、我々のような職業の人間が真横に座り、教習生の運転をじっと観察するわけですから当然と言えば当然です。
ですから、教習生の緊張を和らげる目的で、自己紹介をしたり、他愛もない冗談を言ったり、世間話を振ったりすることがあります。
緊張して萎縮していると、その人本来の能力が発揮できず、教習効果も上がりません。
ですから、雑談を通して緊張しない雰囲気作りを心がけています。
雑談をするときに気をつけていること
そこで、我々教習指導員(というより筆者)が、テクニックとして雑談をする場合、どのようなことに気をつけているのか以下に解説していきます。
①教習生の性格を見極める
まずは、適性検査などの結果も活用して、できるだけ教習生の性格に応じて、話す頻度や時間、内容などを変えるようにしています。
沈黙は苦手なんだけど…。
というような教習生には、適度に話しかけるようにしていますし、
先生がうるさくて運転に集中できないよ!!
といった教習生には、話しかけず見守るといった具合に、やはり教習生の人個々に応じて使い分けるようにしています。
②教習生の技量やその場の状況を見極める
また、教習生の運転技量にも配慮します。
いくら緊張しているとは言え、補修になるかならないかの瀬戸際の人に対して雑談をすることはできません。
逆に、余裕があればいくらでも話しかけるのかと言うとそうではなく、
- みきわめのとき
- 複雑な道路状況のとき
などは、静かに見守ります。
いずれにしても、誰彼かまわず話しかけるのではなくて、教習生の人の技量や状況を観察して話しかけるようにしています。
③雑談の内容を吟味する
私自身がそうであるように、おそらくどの教習指導員も教習中に話す鉄板ネタ(話題)のようなものがあるはずです。
もちろん意図して教習や運転に全く関係のない話をすることもないことはないですが、例えば私の場合は、
- 二段停止線について
- 横断歩道の停止率
- 珍しい標識の話
など、車の運転に関する話題を、タイミングを見て教習生の人に切り出すことも多いです。
ですから普段から、車関係のニュースや時事問題などにアンテナを張り、情報収集するように心がけています。
こんなときはどうする?
では、今回の記事の本題です。
①指導員の雑談で運転に集中できないとき
運転に必死で、こんなに話しかけられると集中できないよ。
といったような場合、どうすれば良いのでしょうか?
もし、はっきり言える状況や雰囲気であれば、
先生、今話しかけないでください。
ときちんとはっきり言いましょう。
また、そうした雰囲気ではない場合、返事をしないというのもひとつの手です。
それから、ネット掲示板やSNSを見ているとこんな疑問を書き込んでいる人を多く見かけます。
路上教習のとき、わざと雑談をして、教習生の集中力を低下させるように仕向けるって本当?
私は、こうした目的のために雑談をすることはありませんが、もしかしたらこういう指導員はいるかもしれません。
しかしながら、私の場合は、逆に「運転から気をそらす」ためにわざと話しかけることはあります。
特に、初めての教習など教習の初期段階で、
- 瞬きする余裕がないくらいめちゃくちゃ緊張している人
- 肩や肘に力が入りすぎてハンドルがうまく回せない人
- 補助ハンドルをしたとき、ハンドルが動かないくらいの握力で握っている人
といったような、少し運転に対して前のめりになりすぎている人については、運転から気をそらせるために容赦なく話しかけます。
こういった人の場合、
そんなに力まないでリラックスをしてね。
といった声掛けくらいでは、なかなか緊張はほぐれませんから、返事する余裕がなかろうが、相手が迷惑していようが関係なく話しかけ続けます。
このように、目的を持って雑談をすることもありますし、もちろん和ますために雑談することや、ただ何気なく雑談することももちろんあります。
いずれにしても、指導員の雑談を迷惑と感じている人は、「うんうん」とテキトーに相づちを打っておき、話半分に受け流しておいても全く問題ありません。
一生その指導員と付き合っていくわけでもありませんし、教習所にいる間だけの関係と割り切ることも必要かもしれませんね。
②教習中の沈黙が辛いとき
逆に、
技能教習中の沈黙がきついです。
もっと話しかけてほしいです。
といった場合はどうすれば良いのでしょうか?
もちろん指導員にも性格がありますから、積極的に話しかけない寡黙な指導員ももちろんいるでしょう。
そうした場合、できるなら自分から話しかけてみるのも良いかもしれません。
そんなの無理だよ。先生怖そうだし。
確かに、なかなか自分から話しかけるのには勇気がいるでしょう。
そんなときは車の運転に関する質問などしてみたらどうでしょうか?
例えば、
- 路上で、歩行者や自転車の側方通過はどんな事に気をつけるのか?
- 進路変更時の注意点
- 交差点の優先関係などの判断に迷うとき
といった具合に、教習中疑問に思ったことはどんどん質問してみると良いでしょう。
我々教習指導員は、その名の通り指導するのが仕事で、教え好きの人も多いですから、こうした質問は大歓迎ですよ。
何も、無理矢理に話題を作って雑談などしなくても、せっかくの教習ですから、わからないことなど質問してみると沈黙や気まずい雰囲気もなくなるでしょう。
③自分から話しかけられない内気な人は?
でも私は人見知りで内気なのでなかなか自分から話しかけられません。
先生は、沈黙だと気まずくないですか?
時折、こうした質問を受けることがあります。
全く問題ありません。指導員はなんとも思っていませんよ。
もちろん教習生全員がおしゃべり好きとも思っていないし、寡黙な教習生の方もたくさんいらっしゃいます。
ですから、無理に取り繕って話そうとしなくても全く問題ありません。
せっかく高い教習料金を払って免許を取りに来ているのですから、ぜひ自然体で教習に臨んでくださいね。
沈黙が気まずいなんて指導員はまずいませんから安心してください。
我々は仕事で車に乗っているので、教習生が寡黙だろうがおしゃべりだろうがそんなことは全く関係ありませんから。
まとめ
今回は、教習指導員とのコミュニケーションに悩みや不安を抱えているあなたに向けての記事でした。
どうしても、担当指導員との反りが合わない場合は、以下の記事を参考に担当変更も視野に入れましょう。
いくら有能な指導員でも、人間対人間ですから、合う合わないといった相性は必ずあります。
ですから、無理に教習指導員に合わすのではなく、自分のペースで教習に臨んでくださいね。
また、この記事を読んでくださっているあなたが、もしこれから教習所に通おうとと思っているのであれば、
- 友達
- 兄弟姉妹
- 家族、親戚
といった知り合いが通った教習所や、そのとき担当した指導員を指名すれば、コミュニケーションに悩むことはまずほとんどありません。
ぜひ以下の記事も参考にしてください。
いずれにしても、せっかく車の免許を取りに行くのですから、本記事を読んでくださったあなたが悩みや不安などなく、楽しく教習所に通えるよう応援しています。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
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