こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。
今日は検定前の最後の教習です。
先生に「みきわめ」をすると言われました。
一体全体みきわめとは何ですか?
今回は「みきわめ」とは何かについて解説しています。
おそらく、自動車教習所に通っているあなたも一度は耳にしたことがあるはずです。
「みきわめ」ってなんとなく緊張感のある響きですよね。しかし、今回の記事を読んでいただけると、みきわめに対する恐怖心が少しは和らぐはずです。
みきわめとは何か?
みきわめとは、別名「教習効果の確認」といいます。
まさにその名の通り、われわれ教習指導員が、教習生の人の今までの技能教習の効果がちゃんと上がっているかを確認する教習になります。
①みきわめはいつ実施するのか?
みきわめは、第1段階と第2段階のそれぞれ最後の技能教習のときに実施します。
みきわめを受けるためには基本的には次の条件を満たしている必要があります。
(これは、自動車学校や都道府県によって多少運用方法が異なりますので、すべての教習所がこの限りではありません。)
- その段階の学科教習をすべて受け終わっていること
- 効果測定(学科試験)に合格していること
つまり、技能教習だけできても駄目なわけで、学科もしっかり勉強しておく必要があるのです。
しかし、実際は効果測定に苦戦する人も多いです。
そのため、我々指導員がみきわめを実施したくても、効果測定に合格していないために実施できず、やむなく技能教習をストップしなければならない教習生の人もいらっしゃいます。
そうならないためにも、技能だけでなく学科の勉強もしっかりお願いします。
②みきわめでは何をするの?
みきわめってどんなことをするのですか?
前述したとおり、みきわめは「教習効果の確認」を行います。
つまり、今まで教習してきた内容が身についているかを、我々教習指導員が確認するのです。
とは言え、みきわめで何か特別なことをするのかというとそうではありません。今まで教習と同じように淡々とコースを走るのみです。
なーんだ。じゃあ安心ですね。
ただ決して気を抜いては駄目ですよ。
みきわめは落ちることもあるのですから。
③みきわめは落ちることがあるの?
えっ、みきわめって試験なの?
みきわめは試験ではありません。
しかし、我々教習指導員は、教習生の運転を「良好」または「不良」で判定します。
もし、みきわめが「不良」であれば、追加教習、いわゆる補修をしなければなりませんから、もちろん気を緩めないように検定の予行演習のつもりで臨んでください。
④みきわめが良好になる基準は?
本当にざっくり一言で言うと、検定に合格する実力があるかどうかをみきわめます。
だからといって、検定と同じような基準で教習生の運転を採点するわけではありません。
ですから、例えば検定であれば一発で中止になってしまうようなミスをしてしまったとしても、みきわめは良好になる場合も多いです。
みきわめのとき先生に補助ブレーキされても大丈夫なのですね。
みきわめは検定とは違いますから、補助ブレーキ一つでみきわめ不良とはなりませんよ。安心してください。
ただし、みきわめの際、指導員が贔屓目にみて検定合格の可能性がほぼないと判断すると、みきわめ不良となります。
ですから、みきわめは試験ではないと言えども、やはりミスの少ない丁寧な運転が求められることは言うまでもありません。
ちなみに、みきわめはどの指導員でも実施できるわけではなく、以下のような要件が必要です。
- 技能教習の経験が2年以上ある指導員(もしくは技能検定員)
- その教習所の管理者がみきわめができる指導員として専任していること
ですから、みきわめは技能教習の一部なのですが、本番前の模試のようなつもりで程よい緊張感を保って臨んでみてください。
ある程度経験のある指導員しかみきわめができませんから、検定合格のためにも、みきわめのときは指導員の指導をよく聞いてみてくださいね。
まとめ
みきわめは、あくまで技能教習の一部であり試験ではありませんから、技能検定のときほど緊張することはありません。
ただし、前述したとおり、みきわめを実施するには我々指導員側にも、法律で厳格に要件が定められています。
ですから、今までの教習を思い出しながら、検定のつもりで今あなたにでき得る最高の安全運転をみきわめのときの指導員に見せてください。
その際、こちらの記事も参考に、多少のミスは決して気にせず、丁寧さや正確さを意識してみてください。
また、みきわめが不良になる人の特徴についてもまとめていますので、以下の記事もあわせて参考にして頂けると嬉しいです。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
コメント
同業者です。
その段階の学科教習をすべて受け終わっていること
効果測定(学科試験)に合格していること
これはみきわめの法的根拠になりえますでしょうか?
当方においては、学科の進捗状況に関わらず技能のみきわめは行っております。学校独自のローカルルールなのか、県独自のものなのか。。
法的根拠があるものなのか。
ご教示願います。
パルプンテさんはじめまして。お返事遅れまして申し訳ございません。
確かに、パルプンテさんのご指摘の通り、みきわめに関する学科や効果測定の要件に法的根拠はありません。
私の勤務する自動車教習所での運用方法で、私の都道府県でも教習所によってみきわめ時の要件は異なるようです。
さっそく本記事を誤解を与えないよう修正致しました。
ご指摘ありがとうございました。
夏の繁忙期、お互い体調に気をつけて乗り切りましょう。