こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
このブログは、自動車教習の困りごとについて解説しています。
教習所の先生になりたいです。
僕って教習所の先生に向いているでしょうか?
今回は教習指導員を目指す人で、自分が指導員に向いているかどうか不安な人向けの記事です。
教習指導員は、
- 日本一メジャーな資格である運転免許取得に関わる社会的意義がある
- たくさんの資格を取得できてやりがいがある
- 様々な人と関わることができ刺激がある
といったとても魅力的な仕事です。
正直言うと、給料が飛び抜けて高給というわけではありませんし、どちらかというと平均以下かもしれません。
しかしながら、この記事にたどり着いたあなたは、少なからず教習指導員という仕事に興味がおありなのではないでしょうか?
そこで、今回は現役教習指導員が感じる、指導員に向いている人について深堀りしていきます。
指導員に向いている人とは?
では、教習指導員にはどんな資質が必要なのでしょうか?
私が教習指導員や技能検定員を15年以上続けてきて感じた私感も含め、以下深堀りしていきます。
①人と接するのが好きであること
まず。言うまでもなく他人とのコミュニケーションが苦手という人は、この仕事には向きません。
それはもちろん、普通免許を取りに来る若者だけでなく、
- トラックやバスの免許を取りに来る年配の方
- 高齢者講習に来られるお年寄り
も含めて、幅広い年齢層の方々と関わらなければならないからです。
それに加え、
- 教習生とだけでなく…
-
- 指導員間のコミュニケーション
も、とても大切な要素になってきます。
一旦教習業務を始めてしまうと、基本的には一人で教習生の方と向き合って仕事をしますから、他の指導員と交わることはあまりありません。
しかしながら、
- 急に休みを取らなくいけなくなったときに、担当の生徒さんの教習を他の指導員に頼まなければならない
- 新たな資格取得のため、先輩指導員に教養を受けなければならない
- 教習生の技量や進捗状況などの指導員間の情報共有
- 高齢者講習などチームで仕事をするときの段取り
- 法定講習などで他教習所の指導員との情報交換
- 安全運転中央研修所などでの他府県の指導員の方々との交流
といった具合に、他の指導員とのコミュニケーションが必要な場面というのが多々あります。
もちろん自分自身も、仕事をしていて他人とのコミュニケーションが「正直面倒くさいなあ」というときも、もちろんあります。
しかしながら、やはり基本的には他人とのコミュニケーションが好きでないとこの仕事は務まらないでしょう。
②資格取得に意欲的な人、自己研鑽できる人
私が教習所関係で持っている資格は次のとおりです。
- 普通車教習指導員
- 準中型教習指導員
- 中型教習指導員
- 大型教習指導員
- けん引教習指導員
- 大特教習指導員
- 普通二種教習指導員
- 大型二種教習指導員
- 普通二輪教習指導員
- 大型二輪教習指導員
- 普通車技能検定員
- 準中型技能検定員
- 中型技能検定員
- 大型技能検定員
- けん引技能検定員
- 大特技能検定員
- 普通二種技能検定員
- 大型二種技能検定員
- 普通二輪技能検定員
- 大型二輪技能検定員
- 運転適性検査指導者
- 認知機能検査員
- 運転習熟指導員
- 高齢者講習指導員
- 第一種免許に係る応急救護処置指導員
- 第二種免許に係る応急救護処置指導員
- 産業カウンセラー
- 運行管理者(貨物)
- 危険物取扱者乙種四類
- 第一種カウンセラー
- 第一種講師
いやはや、すごい数の資格ですね~。
特に、たくさんの免許が取得できる教習所で勤務する場合、これらの資格をおおむね5~15年くらいで取得することになります。
特に、教習所に入社してからの数年間は、仕事をしながら試験やら教養やらをたくさん受けなければなりません。
ですから、資格取得に意欲的な人や、乗り気ではなくてもそうした資格取得のために頑張ることができなければこの仕事に就くのは無理でしょう。
③バイクが好きな人
自動車教習所に入社した場合、ほぼ100パーセント二輪の教習にも従事します。
しかし、最近は車離れやバイク離れも進み、私の勤務する教習所の新入社員も、入社後二輪免許を取得するという人が増えています。
教習所に入社する前から、バイクが好きでプライベートで乗っていた人は問題ありませんがそうでない人は注意が必要です。
四輪ももちろんそうですが、特に二輪の場合は、いくら偉そうに口で指導できても、実際にやって見せることができなければ教習生は納得してくれません。
私が教習所に入社したての頃、先輩指導員に、
のタイムが出せるように練習しなさいと教わり、とてもびっくりしたのを覚えています。
バイクが好きでなくてもよいのですが、二輪の練習は仕事をしながらすきま時間で行わなければなりません。
「教習指導員=四輪の教習だけ」というイメージではいけませんね。
④当たり前のことを当たり前にできる人
例えば、全国の教習所の不適正事案を見てみると、
- 仮免許証を携帯せずに路上教習に出てしまった
- 仮免許練習標識を付け忘れて路上に出てしまった
- 無資格者がその車種の検定をしてしまった
- 原簿を記載し忘れた
- 3時間連続で教習をしてしまった
- 路上教習中の事故を申告しなかった
といった、初歩的なミスで処分を受けている教習所がほとんどです。
これらのミスは、教習所業界の人間が見ると「なんでこんなミスするの?」と思ってしまうようなものばかりです。
しかし、何年も同じ仕事を続けていると、時としてマンネリ化するものです。
ですから、私自身も「明日は我が身」の気持ちで日々業務にあたっています。
サラッと書いたのですが、
- 当たり前のことを当たり前に、
- しかもミスなく、
- マンネリにならず長期間にわたって
業務を遂行することは、非常に難しいことです。
でも、教習指導員には、運転はもちろんのこと、日々定められた業務を的確に遂行するための
- 丁寧さ
- 正確さ
- 慎重さ
- 謙虚さ
が、高度に求められるのです。
偉そうに言ってますが、私もまだまだ半人前で、日々精進しています。
指導員になるための最低要件
それでは教習指導員に向いている向いていない以前に、指導員になるために最低限必要な資格等の要件について説明します。
①年齢の条件
まず、教習所職員には2つの資格があることを知っておいてください。
- 教習所職員には
-
- 教習指導員:技能教習をする資格
- 技能検定員:技能検定をする資格
教習所に入社した場合、まずはじめに普通車の教習指導員の資格を取得するために勉強します。
その後は、各自動車教習所の事情にもよりますが、数年間指導員として経験を積んだ後、技能検定員の資格をとるという流れが一般的です。
つまり、技能検定のときに助手席で採点するためには、教習指導員とは別に技能検定員という資格が必要なのです。
そして本題の年齢の要件についてですが、
- 教習指導員:21歳以上
- 技能検定員:25歳以上
となっていますので、21歳以上であれば、指導員審査に合格をすれば即指導員としてデビューできるわけです。
②必要な資格
指導員になるためには、当然その車種の免許が必要ですから、最低限普通免許(MT)は持っていなければ話にならないのは言うまでもありません。
しかしながら、言い方を変えると、普通免許さえ持っていれば普通車の指導員になることができるのです。
ただ、できれば持っておいてほしい(もしくは入社後取得)のは、
- 準中型自動車が運転できる免許
- 普通二輪免許か大型自動二輪
の2つです。
というのも、この2つがないと学科教習に従事できないからです。
また、将来的に二輪の指導員になることまで視野に入れると、普通二輪ではなく大型二輪免許の方がより望ましいことは言うまでもありません。
③学歴は?
学歴とかは関係あるの?
ちなみに、学歴は関係ありません。
もしかしたら大卒しか取らないといった教習所があるかもしれませんが、少なくとも私の住む都道府県ではそういった話を聞いたことがありません。
私の勤務する都道府県の近隣の他の教習指導員と話をしていると、指導員募集をかけてもなかなか応募がない、といった話をよく耳にします。
どの業界もそうでしょうが、教習所業界も人手不足なところが多いです。
左うちわで待っていても応募者がわんさか集まるような時代でもないですから、学歴で選別するような教習所はごく少数と思われます。
かくいう私も大学中退です。
まとめ
今回は、自動車教習所の教習指導員に向いている人はどんな人かについて深掘りしてきました。
以下の記事も参考に、ぜひ教習指導員を目指してみてください。
なにか教習指導員を目指す上で、不安なことや疑問があれば、私で答えることのできる質問であれば誠心誠意お答えさせていただきますので、こちらから遠慮なく連絡をくださいね。
また、以下の2つの記事では、教習指導員のお仕事について詳しく解説していますのであわせてご覧ください。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
教習指導員には、怒りをコントロールする能力も求められます!
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