こんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。
教習所の先生になりたいです。
教習所の仕事って大変ですか?
今回は、教習指導員の一日の仕事の流れについて紹介します。
教習指導員を志す人や自動車教習所に就職・転職を考えている人は是非参考にしてください。
以下の記事では、教習指導員になるためにはどうすればよいか、指導員の試験はどんな内容かについてまとめています。
また、以下の記事では、指導員の仕事のやりがいやデメリットについても書いています。是非あわせてご覧ください。
教習指導員の一日
では、私の、教習所での、とある一日の仕事の流れを紹介します。
①8:30〜出社
早い指導員は朝礼の一時間以上前、平均するとおおむね30分前には出勤して、自分の担当する車両清掃をします。
②9:00~朝礼
朝礼では、
- アルコールチェック
- その日の検定コースの発表と担当検定員の確認
- 高齢者講習等その日に実施する講習の確認
- その他申し送り事項
といったことを確認して5分ほどで終了します。
朝礼終了後は、最初の教習が始まるまで車両清掃を引き続き行ったり、教習や検定の準備をしたり、教習生に連絡を取ったり、各々の業務をこなします。
③9:30~【1時間目】普通車の教習
この日の最初の時間は、普通車の教習でした。
教習指導員の主たる業務が、この教習業務です。
特に普通車の指導は、基本中の基本で、自動車教習所に就職してまず目指すのが、この普通車の指導員の資格取得です。
④10:30~【2時間目】大型二種の教習
私の勤務する自動車教習所は、普通自動車だけでなく、
- 普通二輪
- 大型二輪
- 準中型
- 中型
- 大型
- 大特
- けん引
- 普通二種
- 大型二種
と、いろんな免許が取得できる自動車教習所ですので、我々指導員も様々な車種に対応しなければなりません。
この時間は、大型二種(バス)の路上教習でした。
⑤11:30~【3時間目】けん引自動車の教習
ということで、3時間目はけん引自動車の教習でした。
けん引自動車は車庫入れが難しいので、この時間はひたすらバックでの車庫入れの練習です。
いろんな車種をやらなければなりませんから大変ですが、なかなか楽しいですよ!
⑥12:30~13:30 昼休み
昼食は節約のためにお弁当。
教習指導員のお金事情はというと、決して高給取りではありません。
私の場合、夫婦共働きで、妻も正社員で働いていますのでなんとかやっていけています。
私の勤務する自動車教習所でも、私よりも若手の既婚者は、ほぼ全員夫婦共働きという現状です。
⑦13:30~16:30【4~6時間目】二輪の卒業検定を担当
昼休み明け、一発目は二輪免許の卒業検定を5人担当しました。
採点する側ですが、合格を祈るような気持ちで採点していますからこちらも緊張します。
上記の記事は、主にバイクの教習生向けの記事です。我々指導員の使命は優良初心運転者の育成にあります。
ちなみに今日は5人とも合格でしたのでホッとしました。
⑧16:30~【7時間目】オンライン学科の準備
本当は技能教習をする予定でしたが、キャンセルが出たので、空き時間を利用してオンライン学科の準備です。
すでに多くの自動車教習所で、オンライン学科が導入されていますが、私の勤務する自動車教習所でも近々オンライン学科を導入する予定です。
そのために、この空き時間でその準備作業を進めます。
教習以外の仕事もあるんですね?
またあとから紹介しますが、教習以外にも、講習、営業やコース整備等いろんな仕事があるんですよ。
⑨17:30~【8時間目】普通車の路上教習
私の勤める自動車教習所は、比較的街なかにあるために夕方の路上教習は混み合いますから、まあまあ神経を使います。
⑩18:30~【9時間目】学科の授業を担当
いよいよ最終時間。最後は学科の授業を担当しました。
運転は、教習生の皆さん生き生きとしているのですが、学科の授業はなんだか眠たそうです。
とまあ、こんな感じで結構バタバタの一日でした。
私の勤務する自動車教習所は、たくさんの車種を教習しますから、頭の切り替えが結構大変です。
技能教習以外の仕事もたくさん
教習がないときはどんな仕事をしているのですか?
繁忙期といって、教習所が忙しい時期(2~3月、8~9月)は、ほぼ100パーセント技能教習や検定をしています。
しかしながらそれ以外の閑散期は、教習がない時間もありますから、教習以外にもこんな仕事もしています。
①高齢者講習
70歳以上の人が免許更新の際に受けなければならない講習です。
また75歳以上の人は合わせて認知機能検査も受けなければならず、これらの高齢者関係の講習を、週に一回程度担当することがあります。
②初心者講習、取消処分者講習
初心運転者期間に一定の基準に達してしまった人が受けることができる初心者講習や、運転免許を取り消しになった人が免許の再取得の際に受けるのが取消処分者講習です。
- 普通車や二輪車の初心者講習…7時間
- 原付の初心者講習…4時間
- 取消処分者講習…13時間(2日間)
これは、年に数回担当します。
③企業講習
自動車教習所は、少子高齢化の影響をもろに受ける斜陽産業です。
特に普通車の教習生の数は右肩下がりですので、教習以外の企業様を対象にした講習も貴重な収入源です。
私は、企業講習の副責任者をしていますので、週1回以上の頻度で企業向けの講習も担当しています。
④営業活動
以下のような営業活動も行っています。
- 近隣の高校、大学、専門学校への訪問や説明会への参加
- 運送会社の営業
- タクシー会社、バス会社への営業
⑤法定講習
教習指導員や技能検定員は、法定講習という講習を受講しなければ仕事を続けられません。
年に1回ですが、丸2日、私の都道府県では運転免許センターに行く必要があります。
⑥指導員審査、検定員審査
私の場合は、もう全ての資格を取り終えたので審査を受けることはありませんが、特に若手の指導員は、
- 普通車教習指導員
- 準中型教習指導員
- 中型教習指導員
- 大型教習指導員
- けん引教習指導員
- 大特教習指導員
- 普通二種教習指導員
- 大型二種教習指導員
- 普通二輪教習指導員
- 大型二輪教習指導員
- 普通車技能検定員
- 準中型技能検定員
- 中型技能検定員
- 大型技能検定員
- けん引技能検定員
- 大特技能検定員
- 普通二種技能検定員
- 大型二種技能検定員
- 普通二輪技能検定員
- 大型二輪技能検定員
- 運転適性検査指導者
- 認知機能検査員
- 運転習熟指導員
- 高齢者講習指導員
- 第一種免許に係る応急救護処置指導員
- 第二種免許に係る応急救護処置指導員
- 産業カウンセラー
- 運行管理者(貨物)
- 危険物取扱者乙種四類
- 第一種カウンセラー
- 第一種講師
といったたくさんの資格のために試験や、教養を受けなければなりません。
⑦その他
そして、実はまだまだいろんな仕事があるんです。
- 教育訓練給付金の講座指定の申請
- フォークリフト技能講習
- 技能講習修了証作成
- 学科時間割の作成
- SNSの管理
- 応急救護処置教習の担当
といった具合に、ありがたいことになかなか忙しい毎日です。
大変ですが、やりがいはありますよ。
まとめ
結構たくさんの業務があるんですね。
私自身も、自動車教習所に入社する前は技能教習だけやっておけばいいのかなという感覚でした。
しかし、教習以外にも様々な仕事があり、指導員になりたての頃はものすごくびっくりしたのを覚えています。
自動車教習所の業務は、基本的にはその業務に従事するためには各々資格を取得しなければならないという特徴があります。
例えば、大型免許の指導員資格を取っても、それでは中型や準中型を教えることはできず、それぞれの車種に応じた資格を取得しなければなりません。
つまり、
- 教習関係の資格の特徴
-
- 大は小を兼ねない
というわけです。
ですから、教習所に入社した後も、教習をしながらその合間で教養をしたり、指導員試験のための勉強をしたり、運転の練習をしたりと想像以上に大変です。
それに加えて、今回紹介したように教習以外の様々な業務もこなさなければなりません。
ただ、
- 社会的意義がある仕事でやりがいがある
- 若い人と接するとパワーをもらえる
- おおむね決まった時間に帰ることができる
といったメリットもあり、楽しい毎日を過ごさせてもらっています。
きっとこの記事を読んでくださっているあなたは、教習指導員という仕事に興味のある人だと想像します。
何か気になることがあれば、私で答えられる質問であれば、誠心誠意回答させていただきますのでこちらから遠慮なく連絡をくださいね。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
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