みなさんこんにちは、教習指導員のひろくん(@hirokun_index)です。
このブログは、自動車教習所の困りごとについて解説しています。
教習所の先生ってどうやったらなれますか?
やっぱり運転が上手くないとだめですか?
指導員の試験ってどんな内容なんですか?
以上のような教習指導員という仕事に興味がある人からの質問に全力でお答えしています。
正直に言います。自動車教習所の指導員は決して給料のいい仕事ではありません。
お金目的だったらもっと割のいい仕事に就くべきです。
そして、少子化の影響をもろに受ける斜陽産業ですから、決して未来も明るいものではないというのが本音だったりします。
しかし、そこまで踏み込んで教習指導員という仕事を紹介しているサイトはまず見かけません。
インターネットで検索してみると、これはフェイクだな、明らかに指導員ではない人が書いた杓子定規な記事、もしくは憶測、伝聞というものが多いからです。
それなら私が書いてやれと思った次第です。
お金ではない、やりがいやその他の理由で教習所の先生を目指すのであれば、今回の記事はとても参考になるはずです。
また、こんな記事も書いています。あわせてお読みください。
教習指導員は誰でもなれます!
いきなり結論です。教習指導員は誰でもなれます。
自動車教習所は、少子化の影響をもろに受けるまさに斜陽産業です。
私の勤務する教習所はもちろん、近隣の教習所の先生と話をしていても、求人はかけているが、なかなか若い子が集まらないという悩みを抱えている教習所さんは意外と多いです。
ですから、運転があまり得意ではないから、とか、マニュアル車なんて教習所でしか乗ったことないし、とか、オートマ限定の免許しか持ってないし、とか関係ありません。
上記のように自分で勝手に壁を作らず、自動車教習所の求人を目にしたらまずはチェレンジしてみましょう。
私の職場でも、求人はなかったものの、大型免許や大型二種免許を取得しに来たときに、われわれ指導員に「教習所の先生になりたい。」とアピールして、実際指導員になってしまったという人間もいます。
もちろん、新卒採用している教習所だと、説明会などで自分をアピールすればよいと思います。
しかし、おそらくほとんどの自動車教習所は、中途採用でも全く問題ありません。
かくいう私自身も前職は介護福祉士ですし、運転と全く関係のない仕事でもそんなことは一切関係ありません。
うちの教習所の指導員も、元職がディーラーの営業マン、ホテルマン、銀行マン、警察官、ダンプの運転手、自営業、スーパーの店長、専門学校の先生、水泳のインストラクターなど様々で面白いです。
教習所に入社できればこっちのもん!
教習指導員になるには21歳以上であること、条件はこれだけです。
学歴なんて関係ありませんから大丈夫です。さっきも書いたとおり、運転がうまくないといけないとか、免許いっぱい持ってないといけないということは全くありませんから安心してください。
ですから求人を見つけたらぜひチェレンジしてみてください。
でも、当たり前ですけど普通免許だけは取っておいてくださいね。この際オートマ限定でもOKです!教習所に入社してから限定解除(マニュアル車にも乗れるようにオートマ限定を解除する)すればいいだけの話です。
とにかく、自分で勝手に無理とか思わずに、教習所に入社しちゃいましょう。入社すればこっちのもんです。
必要な資格
もちろん入社してから必要な運転免許は取ればいいのですが、強いて言うなら入社前に取っておきたい資格は次の2つです。
- 普通二輪免許
- 準中型自動車が運転できる免許
なぜかというと、この2つがないと学科教習に従事できないからです。
入社してからもちろん取得はできますが、できたら入社後は極力指導員審査に向けて集中したいので、取れる免許は入社前にとっておくのがベストです。
ただ、入社後、必要な免許にかかる費用を会社が負担してくれるのであれば、もちろん入社後で問題ありません。
ちなみに私の勤務する教習所は、すべての免許が取得できる教習所ですから必要な免許は自分の教習所で取れますし、しかも、一定の勤続年数をクリアすれば運転免許にかかる費用は会社が負担してくれる制度があります。
これから指導員を目指す人は、そのあたりも入社前に確認しておくべきでしょう。
入社後は教習指導員審査に向けてひたすら勉強
さて、自動車教習所に潜り込むことができたらこっちのもんです。
あとは、各都道府県ごとに年に数回ある教習指導員審査に向けてひたすら勉強と運転の練習あるのみです。
それぞれの教習所には、教習指導員審査合格のノウハウがありますから、基本的には先輩指導員にしっかり教養を受ければそれで大丈夫です。
審査の内容は次の6項目で、もちろん1回の審査ですべての項目に合格すれば晴れて指導員となれるわけですが、1年以内にすべての項目に通ればOK、逆に言うと1年以内にすべての項目に合格しなければなりません。
- 教習指導員として必要な自動車の運転技能
- 技能教習に必要な教習の技能
- 学科教習に必要な教習の技能
- 教則の内容となっている事項その他自動車の運転に関する知識
- 自動車教習所に関する法令についての知識
- 教習指導員として必要な教育についての知識
問題の形式は各都道府県の公安委員会で様々ですが、私の都道府県の指導員審査は、運転、学科の模擬教習、技能の模擬教習、教則○✕、関係法令○✕、論文、といった具合です。
勤務する教習所によっては、茨城県にある安全運転中央研修所で行われている新任教習指導員課程という1ヶ月弱の研修に参加させるところもあります。
ちなみに私の教習所はその研修には参加しませんが、この新任教習指導員課程を修了すれば、各都道府県での指導員審査のうち、数項目が免除になります。
いずれにしても、指導員になる前から「指導員の試験は難しいのか?」とか「試験の合格率は?」なんて気にする必要は全然ありません。
教習所としても、新入社員には指導員になってもらわなければ困るわけですから、教習所の持つノウハウで全力でサポートしてくれますから安心してください。
教習指導員に向いている人
最近の教習所業界はほめちぎる教習所が話題になったように、接遇面に重きを置く教習所が増えてきています。
そういう意味では、昔の教習所とは違って、現在の教習所はサービス業としての側面も大きくなってきています。
昔の教習所のように先生と生徒といった上下関係で指導する時代は終わりつつあります。教習生=お客様という意識で教習生に接することができなければなりません。
そういう意味では、まずは相手の気持ちをおもんばかることができる優しさが必要ですし、もちろん教習生の親身になってあげられる真面目さが必要な要素といえます。
でも、それだけでは駄目で、教習指導員の難しいところは、民間でありながら公共性の高い仕事ですし、運転という行為そのものが命にかかわることですので、言うべきはしっかり言わなければならない点です。
いい意味で「人たらし」な人が教習指導員には向いています。
やはりときには、教習生にとって厳しいことも言わなければならないこともあります。
それが「先生に怒られた!」とクレームにならないように「ときに優しく、ときには厳しく指導していただいて感謝です。」に昇華できなければなりません。
ですから、いい意味で「人たらし」な人物が指導員には向いていると言えますね。
ただ、人たらしは能力という側面もありますし、なかなか自分が人たらしかどうか客観的には判断しづらいのも事実です。
ま、当たり前のことですが、人と接するのが嫌という人に絶対に向かない仕事だということは断言できます。
逆に、人と接するのが好きという一点があれは誰でも指導員に向いていますよ。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
まとめ
ということで、今回は教習指導員の仕事に興味がある人向けの記事でした。
都道府県によって、指導員審査の内容や出題形式が違いますので、それらの個別の質問にお答えすることは難しいですが、疑問点などあればお問い合わせからお気軽にどうぞ。
お答えできる範囲で丁寧に回答させていただきます。
いずれにしても、教習指導員は、学歴も経験も全く不問ですから、みなさんが思っているほど特別な資格でもありませんよ。
人と接するのが嫌いでなければ誰でもなれますから、興味のある人はぜひ教習指導員を目指してみてくださいね。
以下の記事を読んでいただくと、より教習指導員という仕事のイメージが鮮明になると思います。
最後まで読んでいただいて、本当にありがとうございました。
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